消費者の時間資源配分戦略と購買行動の関係解明

2019 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 19K13836
• 研究機関: 高知大学
• 研究代表者: 磯田 友里子 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 講師 (40822200)
• 研究期間 (年度): 2019-04-01 – 2023-03-31
• キーワード: 時間と消費 / 時短 / 時間配分 / 消費者行動

研究実績の概要

本年度は、研究計画にしたがいインタビュー調査を中心に研究活動を行った。インタビュー調査実施に先立ち、早稲田大学研究倫理委員会による倫理審査を経て研究開始の承認を受け、1月より本格的なインタビュー調査を開始した。しかしながら、新型コロナウィルス感染拡大の影響等により、計画実施にやや遅れが生じている。具体的には、インタビューを完了できたのは50名中9名となっている。可能な限りオンラインインタビューを行ったが、生活様式の変化に伴うインタビュイーの負担増加やオンライン機材を所有していないインタビュイー候補への接触困難などの理由により、上記の進捗状況となった。インタビュー調査が難航している間は、これまでに得られたデータのコーディングや、これに基づくリサーチ・クエスチョンの精緻化を行い、今後のインタビュー調査をより効果的・効率的に行えるよう研究活動を継続している。並行して、2020年度の主要な活動と位置付けていた先行研究レビューを行った。マーケティングや消費者行動論だけでなく、心理学や社会学の分野の文献探索も行い、現在はレビュー論文執筆の準備を進めている。さらに、消費者の時間に対する意識が購買行動に及ぼす影響を、心理調査の結果と購買データを結びつけた分析を通して明らかにし、2020年夏の学会発表のために論文を執筆中である。
2020年度は、研究活動を以下の優先順位で継続していく。第一に、インタビュイーの安全を確保した上で、2019年度のインタビュー調査の遅れを取り戻す。第二に、購買データ分析により得られた知見をまとめ、論文を執筆する。第三に、2020年度計画の主要な活動である先行研究レビューを完了し、レビュー論文を執筆する。

現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

インタビュー調査に先立って申請を行った研究倫理審査に想定以上の時間がかかった。また、コロナウィルス感染拡大に伴いインタビュー調査の実施そのものが難しくなり、データの収集に苦戦している。

今後の研究の推進方策

研究計画では、2019年度中にインタビュー調査を完了し、2020年度はインタビュー調査の結果と先行研究の成果を照らし合わせることにより、先行研究と実際の消費者行動の溝を浮き彫りにすることを目標としていた。しかし、インタビュー調査実施が困難であるため、2020年度は2019年度に引き続き、インタビュー調査に軸足を置いて研究活動を進める。

次年度使用額が生じた理由

インタビューの実施計画が遅れ、テープ起こしにかかる費用が見積もりを下回っているため。