本研究は、顧客の利他的意図をもとにしたサービス提供者に対する行動が必ず好ましい結果を導くという理論的前提に疑義を投げかけ、組織論における知見も踏まえそうした利他的意図をもとにした行動がサービス提供者に負の結果を生む行動をありがた迷惑行動としてはじめて概念化し、サービス従事者を対象とする調査でその所在を明らかにするとともに、その要因を明らかにするなど、サービス・マーケティング研究に新たな潮流を起こしえるものであると考えられる。また、顧客のありがた迷惑行動は、顧客、企業双方にとっての金銭的・非金銭的コストになるものゆえ、サービス不経済の解消に向けた知見も提供できると考えられる。
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