本研究の目的は、消費者が選択肢の中から商品を選択した後に、別の選択肢が追加(レコメンド)された場合、どのような状況で消費者は選択をスイッチしやすいのかを明らかにすることである。3ヵ年計画で進める本研究において、1年目は、先行研究のレビューや研究会での研究計画の共有を行い、より具体的なリサーチ・クエスチョンを設定した。また、ざっくりではあるが、研究の仮説を設定し、調査計画を立てた。2年目は、消費者行動論、社会心理学、行動意思決定論などの先行研究をレビューし、意思決定にかかる時間、情報処理に対する時間制限・圧力、デフォルト選択肢の設定、選択結果に対する消費者の態度、信念などが、消費者の選択変更に影響することを仮説として導いた(1年目に設定した仮説は、実験による検証が難しいことから、仮説検証を断念した)。3年目は、デフォルト選択肢の設定に関する仮説を構築し、複数回の実験を行った。その結果、仮説を支持する結果が得られた。仮説を支持する結果が得られたため、当初構築した仮説の制約条件(調整変数)に関する仮説を構築した。仮説検証のための実験を行なった結果、仮説を支持する結果が得られた。そして、デフォルト選択肢が意思決定に与える影響のメカニズムを明らかにするため、媒介変数に関する仮説を構築した。この仮説を検証するための実験計画を立てたが、この時点で年度末を迎えたため、この研究は中止することになった。何かの機会があれば、2022年度以降に発表したい。
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