本研究は、多属性情報の提示様式と意思決定過程の関連を検討し、消費者の意思決定支援に向けた呈示様式の提案を目的とする。本研究では、1)プラットフォームの構築:意思決定過程の検討のための情報モニタリング法を応用した実験手法の開発とその評価システムの開発を行い、両者を統合したプラットフォームを作成する。2)提示様式と意思決定方略の検討:情報探索過程のデータをもとに、提示様式と意思決定方略の対応関係の検討を行い、3)日常場面への応用:日常場面を想定した実験を実施して得られたデータを解析し、消費者が意思決定をしやすい、情報の提示様式の提案を行うことを計画している。 これまで取得した意思決定プロセスにおける情報探索の時系列データとともに、計算機シミュレーションを用いた検討を行い、悪い意思決定を避けるという視点からの論文を、国際紙で刊行した。また、消費者が実際に用いている多属性表を題材に、デザインの影響を分析し、コンピュータシミュレーションと深層学習を用いて意思決定方略を同定する手法を考案し、学会にて口頭発表を行った。さらに、情報探索パターンから消費者の意思決定方略を推定する方法の開発し、学会にて口頭発表した。更に、情報探索過程のデータと普段の買い物行動についての調査結果との関連を検討し、学会にて口頭発表を行った。発展的課題として、社会的に望ましいと考えられる言説や望ましくないと考えられる言説への反応傾向と、意思決定傾向との関連を検討し、学会にて発表を行った。
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