研究課題
若手研究
本研究は北海道の過疎地域にある地方公営企業を対象にしている。その目的は、会計情報の共有が組織間連携や組織学習にどのように貢献するかを組織間管理会計研究の視点から明らかにすることにある。調査の結果、会計情報の共有のツールである「経営比較分析表」を組織間連携(広域化・共同化)として利用している施設は3施設あった。「他団体との比較」(68施設)として利用している施設が最も多く、自施設内の予実管理として利用されるケース(33施設)よりも、ベンチマーキングとして利用されている実態が明らかになった。
管理会計・原価計算
本研究により、学術的には地方公営企業を対象にしたネットワークにおける会計現象に関する情報共有、信頼、レピュテーション(評判)といった社会的・非公式なコントロールの理論研究の拡張が示唆されている。また、実務においては「経営比較分析表」を用いることで自施設の業務を見直し、改善活動を促すことや、組織間の連携や現場の利益意識、コスト意識を醸成することが示唆されている。