本研究は企業の「地理的な分布」が会計行動に与える影響について分析している。従来の会計研究では、資本構成や契約などの企業の性質と会計行動について分析されてきた。しかし、実際に企業が行動している「空間」には「輸送コスト」や「制度的な差異」等の企業活動を阻害するコストが存在する。そこで本研究では、企業の空間的な広がりを子会社の所在地情報からプログラムを用いて特定・数値化することにより、また、企業の経営環境を考慮することによって、研究の欠落を補っている。本研究では、企業の地理的分布(経営環境)が会計情報、納税行動、コーポレート・ガバナンス、マネジャーの非倫理的行動に影響することを明らかにした。
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