研究課題/領域番号 |
19K13873
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研究機関 | 大阪産業大学 |
研究代表者 |
藤岡 英治 大阪産業大学, 経営学部, 教授 (50319828)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 内部統制 / ガバナンス / 医療法人 / 新型コロナウイルス |
研究実績の概要 |
当該年度は、新型コロナウイルス感染症の影響が医療法人の内部統制に対してどのような影響を与えているのかを新たな質問シートに組み込む作業を行うとともに、新型コロナウイルス感染症の影響による医療法人の運営、特に財務面での影響について確認を行った。後者については、医療法人に対する公認会計士による外部監査の実施基準にも影響するものであることから、新型コロナウイルス以前の状況とそれ以後の状況との比較、特にその対象件数の差異を確認し、実際のアンケート調査にどの程度影響するかを確認した。 また、新型コロナウイルス感染症は、医療法人の運営体制、それにはガバナンス体制にも影響があることから、その影響について各種の論文や記事等のリサーチを行い、より新型コロナウイルス感染症を踏まえた体制の確認ができるアンケートシートにアップデートを行った。 未だ収束の気配が見えない新型コロナウイルス感染症は、医療法人の運営に影響を与え、それは公認会計士による監査の実施、内部統制の整備、運用にも影響を与えることから、科学研究費補助金の申請当初、すなわち新型コロナウイルス感染症以前とは環境が異なったことから、それに対応する対策をとった。 次年度は、新型コロナウイルス感染症を踏まえた調査、分析を行い、その影響をも踏まえた医療法人の内部統制の実態把握に努める予定である。2021年度の検討結果は、2022年度の 実態調査を踏まえた段階において学会報告および論文等にて公表する予定である。 なお、2021年度は、本研究課題の遂行上得た知見、すなわち医療法人という非営利組織体における内部統制の理論的枠組みを他の非営利組織体に応用する形での論文「大学教育後援会の組織体制に関する研究」を成果として公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の発生による医療法人に与えた影響が大きく(倒産する医療法人や財務状況の悪化する医療法人により公認会計士による外部監査の対象から外れる場合が生じている)、当初の想定とは異なる切り口を加えざるを得ない状況となった。ただし、その影響については、当該年度において含めることができたため、当初の計画の医療法人の実態調査を実施できる段階に到達した状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
2020年3月、アンケート実施直前に発生した新型コロナウイルス感染症により、2020年度は医療法人における混乱からアンケート調査の実施を見送らざるを得ない状況にあった。それは、医療法人の財政状態の悪化という面で2021年度にも影響を与え、その視点、すなわち新型コロナウイルス感染症の視点を加えたアンケート調査の実施を余儀なくされた状況に至った。 2021年度は、新たな視点の組み込み、医療法人における新型コロナウイルス感染症の財務面での影響について整理ができたことにより、2022年度においては新たな視点を加えたアンケート調査およびヒアリングを実施できる状況になった。 2022年度前半にアンケート調査を実施、後半、その分析とその結果の学会等での報告を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響、すなわち医療法人の運営に与えた影響およびアンケート調査の実施の可否について医療関係者よりのアドバイスをいただきながら、最適な時期を選択するためにその実施を2022年度としたために次年度に使用額が発生した。 2022年度は最終年としてアンケート調査およびヒアリングによる実態調査と分析を行い、次年度執行を行う予定である。
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