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2023 年度 実績報告書

植民地統治と会計ー南洋群島における燐鉱事業管理に焦点を当ててー

研究課題

研究課題/領域番号 19K13874
研究機関広島経済大学

研究代表者

角 裕太  広島経済大学, 経営学部, 准教授 (00824351)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード南洋拓殖株式会社 / 南洋興発株式会社 / 原価管理 / 燐鉱事業 / 製糖事業 / 南洋庁 / 臨時南洋群島防備隊 / 財務報告
研究実績の概要

本研究は,植民地・委任統治領と会計というテーマのもと,とりわけ企業や公的機関における会計実践を明らかにすることを目的としている。これまで,南洋拓殖株式会社,南洋興発株式会社,南洋庁,臨時南洋群島防備隊を対象に,そこで実践された会計やその役割,会計情報の特徴について明らかにしてきた。
今年度は,とりわけ南洋群島における企業,南洋拓殖株式会社と南洋興発株式会社を対象にしながら,そこでの事業管理についてその一部を明らかにした。
南洋拓殖株式会社においては,決算書類中,「業務別利廻表」として各事業(鉱業,造船,貸付,関係会社,代理店,農業,船舶)の投資高に対する純利益を把握していた。当該会計情報は,1938年から1943年度分(一部欠損)まで確認できる。他方,南洋興発株式会社においても,「業務別投資利廻調」において各事業の投資高に対する利益を把握していた。
南洋拓殖株式会社の主事業が燐鉱事業であるのに対して,南洋興発株式会社の主事業は製糖事業であったため,単純に比較することは困難であるが,両社の燐鉱事業における投資利回りを比較すると以下のような傾向にあった。すなわち,南洋拓殖株式会社においては,第二次世界大戦以前から以後にかけて,その投資利回りが一定程度,維持されていた。それに対して,南洋興発株式会社においては,当該事業における利回りが第二次世界大戦以前から以後にかけて,悪化する傾向にあった。
南洋拓殖株式会社における会計情報,「業務別投資利廻調」から判断する限りにおいては,第二次世界大戦勃発以後も,同社が燐鉱事業を管理(コントロール)しつつ経営にあたっていたことが伺える。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 自然災害が企業の会計行動に与える影響―関東大震災と機械産業を中心にしてー2023

    • 著者名/発表者名
      角 裕太
    • 雑誌名

      会計プログレス

      巻: 24 ページ: 109~124

    • DOI

      10.34605/jaa.2023.24_109

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Corporate Depreciation Practice in the Early 20th Century in Japan: A Comparative Analysis of the Textile Industry2023

    • 著者名/発表者名
      Yuta Sumi, Takashi Kitaura, Jumpei Yamada and Yasuhiro Shimizu
    • 学会等名
      1st Accounting History Research Workshop, Tokyo Metropolitan University

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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