研究課題/領域番号 |
19K13887
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
加藤 林太郎 国際医療福祉大学, 留学生別科, 助教 (00803355)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 会話分析 / 模擬医療面接 |
研究実績の概要 |
2020年度の日本語教育学会での口頭発表を経て、2021年度はそれを論文化し、投稿した。採用とはならなかったが、査読者から有益なコメントを得ることができた。現在は2022年度の公表を目指し、その論文の修正を行っている。特に、会話分析・日本語教育・社会言語学などの知見を横断する中でどのように自身の研究を位置づけるか、また、そのためにどのようにデータの分析・記述を深化させるか、という査読者からの指摘に応えるためには研究期間の延長が不可欠であると考え、この度1年間の延長を申請した。 それと並行し、2021年2月より「日本語教育×会話分析の会」という勉強会を立ち上げ、恒常的な理論書の講読とデータセッションの場を設けた。この会は、先述の口頭発表の際に指摘をしていただいた方や、予稿集を読んで興味を持っていただいた方などから構成されている。既に別の研究テーマでも私が筆頭となり口頭発表を行っており、科研費受給期間終了後も継続して研究を行うための足場を築くことができたと感じている。この会の活動は、先述の査読コメントを受けての論文の修正を大きく推し進めるものであり、現在もそれが継続されている。本年度は、本研究課題については学会発表や論文発表には至らなかったが、自身の課題の発表をきっかけにこのような会を発起人として組織することができたのは、若手研究者としては大きな成果だと実感している。 一方で、コロナ禍において業務のエフォートバランスが大きく変わったことや、外部への協力依頼が難しくなったことなどから、追加の模擬医療面接や、実際の医療機関における会話データ収集などの発展的な研究は難しかった。残り研究期間も限られ、また、2022年度からは所属機関が変わり、医療系のリソースへのアクセスが難しくなることから、最終年度は現在までに得られた成果を論文として公表することに集中し、研究を進めていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍による業務のエフォートバランスの変化や、外部への協力依頼が難しくなったことなどから、追加の模擬医療面接や、実際の医療機関における会話データ収集などの発展的な研究は難しくなり、研究の着地点を変更することを余儀なくされた。そのため、当初考えていたような追加のデータ収集等ができなかったという意味で、「遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
現有の会話データに集中し、これまで研究を推進してきた中で得られた知見と、学会発表や論文査読でのフィードバックをいかし、成果を論文として世に出すことに最終年度は集中したい。現在査読を受けた論文は1本であるが、複数の視点からの分析を統合したものとなっているので、より簡潔かつ個別的な分析として、いくつかの論文に分けて公表することも考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍においてほとんどの学会がオンライン開催となり、旅費等の支払いが不要となったことが大きい。その中には海外大会も含まれており、その差額が大きく影響している。また、追加の模擬医療面接を行えなかったことから、謝礼や文字起こし等に係る人件費なども発生しなかった。
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