研究課題/領域番号 |
19K13898
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研究機関 | 関西国際大学 |
研究代表者 |
永井 純一 関西国際大学, 現代社会学部, 准教授 (90552828)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 音楽フェスティバル / 地域振興 / 交流人口 / 関係人口 / 経済効果 |
研究実績の概要 |
今年度の研究は概ね以下の3点に集約される。 1.音楽フェスティバルの地域社会における役割や課題について、フェスティバルの主催者や行政担当者を対象に質的調査をおこなった。調査した項目は、主催者の形態、イベントと行政・市民団体との連携状況、助成金・補助金の利用状況など。 2.前年度に実施した二つの量的調査(「音楽フェスティバルと地域社会についてのアンケート調査」、「ライブゴアーに対する意識調査」)の分析を引き続き行った。このデータを用いて論文の執筆や学会での報告を行うことができた。 3.現地での参与観察。昨年度に続き。新型コロナウィルスの影響で多くのフェスティバルが中止となったが、開催されたものに関しては参加者や関係者へのヒアリングを含む質的調査を行うことができた。社会的に批判が集まる中で開催されたイベントもある中、コロナ禍での大型イベントの運営を具に観察できたことは貴重な体験であった。また、文化政策や助成との関係を知る上でも重要であった。 新規の調査によって、広く情報を収集する一方で、いくつかの対象については、経年調査によって、状況の変化(開催体制の変化、地域社会との関係)などを明らかにすることができた。こうした研究活動を通じて、「音楽ライブの公共性」という新たな課題の発見に繋がった。いわゆる経済波及効果に限定されないイベントによる地域の魅力創発や、都市ブランディングの実情を詳らかすることを、今後の研究課題とする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルスの影響で現地での調査や取材は難しい部分があった。ただし質的調査についてはICTを活用することで、遠隔地の対象者に対しても効率的に聞き取りをすることができた。」
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今後の研究の推進方策 |
引き続き量的調査によって得たデータの分析と、関係者に対しての質的調査を行う。また調査結果のアウトプットを積極的に行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの状況により、出張の大部分が中止となってしまったため。当初計画していた参与観察および聞き取り調査を行う予定である。
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