研究課題/領域番号 |
19K13918
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
村上 彩佳 専修大学, 人間科学部, 講師 (10830656)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 同性婚 / バックラッシュ / フランス / 生殖補助医療 / ジェンダー / 保守運動 |
研究実績の概要 |
2021年度は、新型コロナウィルスの流行のため、フランスでのデモの観察や資料収集といった現地調査を予定通り行うことができなかった。そのため、これまでに収集したデータや、インターネットウェブサイトを通じて収集したデータの分析作業を進めた。研究経過を学会で三度報告し、今後の調査および論文の執筆に活かすことのできるフィードバックを得た。 第一に、第72回関西社会学会大会(2021年6月5日)において、「ユーモアで『覆い隠す』ことによるジェンダーバックラッシュ言説への対抗――フランスにおける性的マイノリティへのバッシングに抗う社会運動を例に」を報告した。この報告は、若手会員の一般報告のなかで優秀な報告に対して授与される、関西社会学会大会奨励賞を受けた。 第二に、日本女性学会2021年オンライン大会(2021年6月20日)において、「2010-20年代のフランスにおけるジェンダー・バックラッシュ言説――性的マイノリティバッシングにおける男女平等の語彙の用法に着目して」を報告した。 第三に、2021年度日本政治学会総会・研究大会(2021年9月26日)において、「ジェンダー・家族・結婚を争点とした草の根保守運動団体のロビイング:フランスの『みんなのデモ』に着目して」を報告した。 社会学および政治学領域の研究者から得たコメントをもとに、これらの報告を論文の研究成果としてまとめることが今後の研究課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルスの流行に伴い、2020年度に続き、2021年度もフランスでの現地調査を行うことができなかった。データの収集が滞っているため、研究計画は遅延している。代替案として、先行研究を整理したり、インターネットウェブで収集できるデータをもとに分析を進めた。こうした分析の途中経過は学会で3度報告することができた。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、二つの方向で研究を進める。第一に、研究成果を論文の形でまとめる。第二に、調査対象としているジェンダー・バックラッシュの現状を知るために、フランスの現地調査を行う。現地調査では、デモの観察に加えて、国立図書館での資料収集の作業も進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
本来フランスの現地調査での渡航費や、現地での資料購入費用として使用する予定で予算を設定していた。しかし、2020年度に続き2021年度も現地調査を行うことができなかった。
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