研究課題/領域番号 |
19K13918
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
村上 彩佳 専修大学, 人間科学部, 講師 (10830656)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 同性婚 / フランス / ジェンダーバックラッシュ / 保守運動 |
研究実績の概要 |
本研究は、近年のジェンダーをめぐる政治的対立の場面で見られる、祝祭的な運動戦略を用い大衆性と政治との接続性を両立させた、「新しい保守運動」というべき巧妙化したジェンダーバックラッシュを可能にしているメカニズムを問う。そのためにフランスの同性婚反対運動団体「みんなのデモ」と、同デモへの対抗運動の実証的研究を行う。 本研究の目的は、フランスの「みんなのデモ」の実態を解明する作業を通じて、日本で今後拡大が危惧される「草の根保守運動」の将来像と、その対抗方法について新たな視座を示すことである。 本年度は研究会と学会での経過報告と、1か月のフランス現地調査を中心に研究計画を進めた。 まず、社会運動を専門とする研究者が集う社会運動論研究会で「フランスのジェンダーバックラッシュとその対抗運動」について報告し、コメントを得た。次に、政治学の観点からフランス政治のジェンダー秩序について考察するために日本政治学会で「パリテ導入後のフランス政治のジェンダー平等――ポスト・クオータの課題」を報告した。 そして、夏季休暇中にフランス現地調査を行った。夏の終わりから秋にかけて、大規模なデモが行われることが期待されたが、新型コロナウィルス流行直後であったこともあり、街中でのデモ活動は観察できなかった。したがって文献調査に手法を切り替えた。フランス国立図書館のアーカイブにおいて、「みんなのデモ」のビラやポスターと、当時の選挙に関連したビラやポスターを収集した。また、団体が刊行する写真集を用いてスローガンや運動形態の分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルスの流行のために渡航が難しく、2020年と2021年にフランスの現地調査を行うことができなかった。そのため研究が大幅に遅れている。 途中から調査手法を切り替え、過去に得たデータと文献資料をもとに研究を進めている。やむない事情による研究計画の修正が必要であったため、当初の計画から大幅な遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
2022年のフランス国立図書館での史料収集のおかげで、2013-2014年の「みんなのデモ」が最も活発であった時期のビラやポスター、そして団体が刊行する写真集を入手することができた。これらを素材に内容分析を進める。研究成果を論文としてまとめることを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの流行のため、2020年と2021年に予定していたフランス現地調査ができず、次年度使用額が生じている。
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