研究課題/領域番号 |
19K13924
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
栗原 亘 早稲田大学, 文学学術院, その他(招聘研究員) (80801779)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | アクターネットワーク理論 / 脱・人間中心的アプローチ / B. ラトゥール / H. コリンズ / 知のポリティクス / エコロジー / サイエンス・スタディーズ / 専門知 |
研究実績の概要 |
2020年度は、(A)アクターネットワーク理論(ANT)とその他の脱・人間中心的アプローチとの比較検討をとくにエコロジーのテーマのもとでおこなった。また(B)2019年度から準備を進めていた博士論文とANT関連書籍への寄稿原稿の完成を目指した。 (A)については、学会報告2件と学会誌への寄稿1件をおこなった。具体的には、日本社会学会第93回大会で「アクターネットワーク理論とエコロジー:異種混成的な世界における『平和』構築について」、第62回環境社会学会大会で「アクターネットワーク理論の脱・人間中心的アプローチとエコロジー:環境社会学との連携の可能性」を報告した。また、早稲田社会学会『社会学年誌』62号へ論考「アクターネットワーク理論からレジリエンスを考える:エコロジーをめぐる脱・人間中心的ポリティクスに向けて」を寄稿した(ここで提起されたANT的な観点からレジリエンス概念について考えるという課題は、今後の検討課題①とする)。 次に(B)について。まず博士論文「異種混成的な世界における知のポリティクスを考える:H.コリンズの専門知論と B.ラトゥールのアクターネットワーク理論の比較検討を通して」を完成した(受理7月15日、学位取得11月18日)。とくに本稿で提起した「脱・人間中心的な観点を踏まえたうえで人間の知を改めてどう考えるか」という論点は、今後の検討課題②とする。なお、本稿は、早稲田大学図書館リポジトリにおいて2021年度の春学期中に公開される予定である。書籍に関しては、4本の原稿を完成し、出版社側に送付済みである。しかし新型コロナの影響で出版社側に人手不足が生じており、公刊が大幅に遅れている。 以上のように、公開という面では新型コロナの影響もあり遅れが生じているが、概ね計画通りの成果を達成し、今後の研究課題①②も明確にすることができた。
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備考 |
栗原亘,「異種混成的な世界における知のポリティクスを考える:H.コリンズの専門知論と B.ラトゥールのアクターネットワーク理論の比較検討を通して」, 博士論文(早稲田大学文学研究科)が,早稲田大学図書館リポジトリにおいて,2021年度春学期中に公開予定。
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