研究実績の概要 |
本プロジェクトのテーマは、外国人に焦点をあてた医療制度改革の人権評価であった。研究期間が世界的な新型コロナウィルスのパンデミックと重なったこともあり、過去の医療制度変化の影響の評価より、コロナ禍における制度変更が外国人の健康に与える影響に関する論文の出版が優先されてしまった事には反省が残る。今後、出版に向けて取り組んでいきたい。最終年度は、英語に加え、日本語で著作物を出版する機会に多数恵まれた。「SDGsデータエコシステム時代の人口と人権」「人権と人権指標としてのSDGs指標」「健康の公平性、正義、権利」” Health and Healthcare as a Human Right”の4本は、利用可能なデータを利用した医療制度の人権評価における方法論に関するものである。さらに、“Gender Mainstreaming in Occupational Health and Safety: Challenges in the Era of the Sustainable Development Goals", ” Domestic violence in Micronesian context: Past and future challenges"、"Abortion Tourism in a Post-Roe v. Wade Era”では、ジェンダーに焦点を当て、医療およびそれに関連する諸制度を、健康と人権の視点から評価した。 また、入管収容施設の健康評価に関する論文も現在執筆中である。本研究の特徴は、「外国人」を焦点にしている事であり、この定義には「移民」「難民」「観光客」など様々な人口集団が含まれる。コロナ禍でこれら別々に扱われてきた集団の包括的な保護の枠組みの必要性が認識された時期にこのような研究を行わせて頂き、感謝している。海外での研究発表のための渡航費を念頭において予算申請したため、コロナ禍で渡航が制限された事でかなりの額を残してしまった事については反省している。
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