研究課題/領域番号 |
19K13936
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
上田 幹子 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (90587966)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 地域医療 / 医療・健康情報 / 健康サポート薬局 / デジタルサイネージ / 産官学共同研究 |
研究実績の概要 |
高齢化が進む現在、個々が主体的に健康の維持増進に取り組める仕組みが求められる一方で、自らの健康について気軽に相談できる場の不足や、SNSなどの普及に伴う信憑性に欠ける健康情報の氾濫などの課題がある。そこで我々は、豊中市、豊中市薬剤師会と連携し、健康サポート拠点として薬局が発信する正確かつタイムリーな情報が地域の健康維持・増進に貢献できるのかを明らかにすることを目的としている。令和3年度は、前年度に引き続いて豊中市の7圏域それぞれ1件の薬局に設置したデジタルサイネージを用いて健康情報を随時発信し、各薬局においてはタブレット端末および質問票を用いて配信した情報の有用性に関するアンケートを実施した。また、デジタルサイネージへのタッチログも引き続き収集するとともに、配信した情報によって薬局利用者の行動変容が起こったのかについても調査した。令和3年8月末まででいったん解析を行うこととし、アンケート回答数は延べ850件であり、デジタルサイネージへのタッチ数は延べ61565回であった。アンケートから、「デジタルサイネージの健康情報が役に立った」という回答を含めて多くの観点においてポジティブな感想が得られたため、デジタルサイネージが発信する情報が薬局利用者にとって有用であることが示唆された。また、高齢者に対する無料PCR事業に際し、デジタルサイネージ設置薬局の方が、非設置薬局に比べて有意にPCR受付数が多く、全体の82.9%を担っていたことから、デジタルサイネージが健康情報発信チャネルとして有用であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和3年度は、前年度に引き続き新型コロナウイルスの影響を受け、薬局利用者数の減少やデジタルサイネージへのタッチ(接触)が敬遠されるなど、本研究の進行に対する障害が生じた。しかし、新型コロナウイルスに関する最新情報を随時提供する、タッチによる接触を避けるべく紙媒体の質問票を併用するなど、効果検証する工夫をできる限り行った結果、中断することなく研究を継続できた。
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今後の研究の推進方策 |
デジタルサイネージから発信する健康情報の有用性が示唆されたものの、デジタルサイネージ設置薬局数が市内に7件と少ないので、デジタルサイネージを増設することで薬局利用者、ひいては、市民の健康意識に与える影響を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響で、国内外の出張やタブレット端末など接触を伴う電子機器の拡充が予定通りに実現できなかったために次年度使用額が生じた。繰り越し分の予算は、デジタルサイネージの拡充や感染対策を施しながらのアンケート等に用いる予定である。
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