研究課題/領域番号 |
19K13941
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
伊藤 隆博 岩手県立大学, 社会福祉学部, 講師 (70827237)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 災害派遣福祉チーム / DWAT / DCAT / 活動モデル / 災害ソーシャルワーク |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、災害派遣福祉チーム(DWAT)の活動におけるソーシャルワーク機能について明らかにした上で活動モデルとシミュレーションツールを開発することである。3年目である令和3年度の研究実績は下記の3点である。 第1に、災害派遣福祉チーム員としての活動におけるソーシャルワーク機能について明らかにするための個別インタビュー調査の分析を行い、令和4年度中の論文化を準備している。現時点では、災害時において、DWATが保健・医療チームと連携することで、医療支援から避難生活、生活再建支援まで避難者の幅広いニーズに対応していること、一方で、福祉職のチームであるが故の「医療専門用語の壁」や「福祉職と医療専門職との連携の不慣れさ」があることが明らかとなった。医療機関の福祉職であるMSWがDWATの一員に入ることで保健・医療チームとDWATの架け橋になることが期待される。 第2に、各都道府県の災害派遣福祉チームの養成研修および登録後の研修の実施状況や課題についての分析を行い論文化した。被災地で活動するイメージを具体化させる研修に重点が置かれている一方で、災害時の支援活動を行う上でも重要な「安全」と「情報伝達」について扱うところは少ないという結果であった。 第3に、47都道府県の医療ソーシャルワーカー協会に対して、災害福祉支援ネットワークとの協定締結状況とその課題、災害派遣福祉チームに対する参画上の課題についてアンケート調査を実施した。今後はアンケート調査の結果に基づき、都道府県医療ソーシャルワーカー協会の災害福祉支援ネットワークおよび災害派遣福祉チーム参画への課題の課題について分析を進める予定である。調査の結果は、令和4年度中に学会発表や論文投稿にて公表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度の計画では、インタビュー調査、アンケート調査の結果をもとに研修プログラムを作成し実施予定であったが、新型コロナウイルス感染症拡大によりインタビュー調査の実施が大幅に遅れ、その後の分析も遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度まで研究期間を延長し、今後はデータの分析を実施して災害派遣福祉チームのソーシャルワーカー活動モデルとシミュレーションツールの開発に着手する予定である。さらに、活動モデルとシミュレーションツールを用いた研修を実施する計画であるが、対面での実施が困難な状況が継続されると予想されるため、オンラインでの実施についても検討を進めていくこととする。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、計画通り研究が進まなかったため。次年度まで研究期間を延長し、実施予定である。
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