研究課題/領域番号 |
19K13944
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研究機関 | 福岡県立大学 |
研究代表者 |
畑 香理 福岡県立大学, 人間社会学部, 助教 (90625310)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 退院援助 / 医療ソーシャルワーカー / 大腿骨骨折 / 高齢者 / 女性 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、高齢女性の大腿骨骨折患者に対して医療ソーシャルワーカーが行う効果的な退院援助を検討することである。患者が安心して在宅生活を送るためには、入院中から退院後の生活を見据えた支援が必要であるため、本研究では具体的に次の2点を実施する。 まず、1点目に大腿骨骨折を経験した高齢者へのインタビュー調査により当事者が抱える固有の課題を捉えるとともに、地域のネットワーク状況を把握する。 2点目に回復期リハビリテーション病棟に勤務する医療ソーシャルワーカーを中心としたフォーカスグループインタビュー調査を実施し、大腿骨骨折患者への退院援助のプロセスと地域連携の関係性を分析する。 本研究は当該年度が研究1年目であったため、先行研究とこれまで研究者が取り組んできた研究の成果を踏まえ、大腿骨骨折を経験した高齢者へのインタビュー調査における調査項目を検討し、調査を実施した。 研究対象者は、大腿骨骨折を経験した65歳以上の高齢者であり、6名にインタビューを実施した。インタビューでは、受傷から退院後の在宅生活に至るまでを時系列で語ってもらえるよう半構造化面接を採用した。具体的に、入院中に感じた不安点と退院後の在宅生活に関して困難に感じる点の2点を主に質問した。調査の結果、大腿骨骨折を経験した高齢者が抱える固有の課題が整理でき、さらに入院中から退院後の在宅生活において、その生活構造の特徴を明らかにすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究1年目の進捗状況についてはおおむね順調に進んでいるが、新型コロナウイルス感染症の影響により、研究2年目の現時点ではやや遅れている。 その理由として、研究2年目にはフォーカスグループインタビュー調査を実施することを予定しているが、調査対象者が医療機関に勤務する医療ソーシャルワーカーであるため、依頼やその準備が難航している。今後、感染症及び医療機関の状況を考慮しながら、調査依頼等を進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は研究2年目となるが、今後は複数名の医療ソーシャルワーカーを研究対象としたフォーカスグループインタビュー調査を実施し、大腿骨骨折患者への退院援助のプロセスと地域連携の関係性を分析する。調査実施に向け、インタビュー項目の検討を行い、研究対象者には調査依頼を行う。ただし、今後は新型コロナウイルス感染症及び医療機関の状況を十分に把握し、調査依頼は慎重に進めることを考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、インタビューの調査対象者との面接場所が当初想定していたエリアより近隣であったため、旅費が若干少なくなったためである。研究2年目にもインタビュー調査を実施するため、調査対象者との面接場所までの旅費が足りない場合はその補填としての使用を検討している。
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