研究課題/領域番号 |
19K13949
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
八木 裕子 東洋大学, ライフデザイン学部, 准教授 (60533817)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 災害 / 生活 / ICT / 包括的災害支援 / DCAT / DWAT / 災害福祉 / 災害介護 |
研究実績の概要 |
今年度も、コロナ禍の中、まったく出張しての調査ができなかったが、日本介護福祉学会の学会誌の「論壇」に、「生活に向きあう実践としての“災害介護”を問う」というテーマで投稿することができた。 同じく介護福祉学会の『第29回 日本介護福祉学会大会』でも「「災害介護」の概念に関する諸説の検討 ~生活とは何かを改めて問う学問の確立に向けて~」のテーマで、『災害介護』の定義を「①災害サイクルのフェーズ(急性期、慢性期、復旧・復興期、静穏期)に沿った要配慮者の心身の状況に応じた介護福祉支援活動。②介護福祉の本質である「生活」を捉える。狭義の「災害介護」は、生活を支えるという視点を持ち、災害サイクルのフェーズに沿って、要配慮者の心身の状況に応じた介護福祉支援活動とする。そして広義の意味としては、災害からの生活支援・生活再建に対し、「生活」とは何かを問い続けていくことである、とし、口頭発表を行なった。 また、医療、保健分野から、平時から発災時、そしてまた平時に被災者の生活を戻していくために必要とされる情報について、有識者(大学教員、サイエンスクラフト防災部、医師、IT関係企業 等)へのヒアリングを実施することができた。非常に内容が濃いもので、引き続き、災害時の情報項目を載せたフォーマットを検討し、ICT化し、運用のワークフローを開発をしていきたい。 書籍等については、「チェックリストと事例でわかる!介護施設の災害・感染症対応(第4章 DWAT・DCAT(災害派遣福祉チーム)の実践と課題」や「介護の基本」(介護福祉士の活動の場と役割 5災害時の支援)」、「さぽーと」(熊本県での災害時におけるDWATの活動について)を執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、現地調査ができない状況に陥った。そのため、期間延長を申し出ており、許可されている。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症拡大の状況にもよるが、昨年度、有識者へのヒアリングを行ったものをベースに、今年度は、新しいテクノロジーを用いた災害介護をテーマに、状況、メンバーに応じて、その都度適切な支援体制づくり、準拠する枠組み(ルール)の選定を支援するシステム(ICSマネジメントシステムと呼べるもの)の開発とその使用マニュアルを作成することを手掛けていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響により、現地調査ができなかったこともあったが、次年度は、平時から活用でき、発災から復興までを支える包括的災害支援活動時に必要な情報項目を有識者ヒアリングから整理し、埼玉利根保健医療圏地域医療ネットワークシステム「とねっと」を活用し、アプリの開発等ICT化した後、具体的な実証、運用ワークフローの開発、さらにはとねっとを活用した災害支援の教育プログラムの開発を行なう予定である。主にアプリ開発費と教育プログラムの冊子の作成費に使用する予定である
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