研究課題/領域番号 |
19K13956
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研究機関 | 静岡福祉大学 |
研究代表者 |
上野 永子 静岡福祉大学, 子ども学部, 准教授 (30716668)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 里親支援 / アタッチメント / 養育困難感 |
研究実績の概要 |
2020年度前半は、なかなか研究協力者が得られない状況が続き、さらにコロナ感染拡大防止のために、介入研究を中止せざるを得ない時期があった。しかしながら、研究の対象を多様なものとするために研究対象者の条件を拡大し(例えば、特別養子縁組後の里親子や、受託後しばらく時間を経た里親子など)、所属機関の倫理審査の研究変更手続き及び、研究協力機関の同意手続きなどを改めて行ったことにより、研究協力者を幅広く募る状況が整い、研究協力者が得られるようになった。また、子どもの発達に関するデータ収集にはKIDSを使用することとし、さらにコロナ対策として対面による介入が困難になった際の対応策(オンラインによる介入や郵送による質問紙データの回収)など柔軟に対応できる研究計画に軽微な変更を加えた。これにより、今後の研究をスムーズに実施出来ることが期待できる。 本年度は、データ収集に留まり、具体的な分析結果を示すことが出来ないものの、里母のアタッチメントに関する会話データからは、推定される被養育経験が逆境的なものがあった。このような場合、養育行動の「世代間伝達」という仮説に立てば、里子に対する養育行動にネガティブな影響が生じる可能性が考えられる。このような里母に介入しながら、実際にネガティブな影響が生じるのか、もしくは、ネガティブな影響が生じないのであれば、それはどのような変数が要因となるのか、また、養育困難が生じている場合、どのような支援が必要かについて具体的に検討することができる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の研究計画における研究協力者が得られなかったことに加え、コロナ感染拡大防止を考慮して、介入研究を一時中断を余儀なくされたため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の後半より、研究協力者が得られ介入が行えるような状況になった。 2021年度は、研究計画に基づき、必要なコロナ対策を実施した上で、データ収集・介入研究を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定されていた学会などが全てオンライン参加となったため、旅費に経費がかからなかった。また、研究協力者の人数が見込みを下回ったため、データの書き起こし料金の支払いが少なくなった。 次年度は、研究協力者が得られる見込みであるため、書き起こし料金など人件費・謝金として使用を計画している。
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