研究課題
若手研究
里子が安定したアタッチメントを形成できるような養育支援を目的に、特別養子縁組里母(以下、里母)5名に子どもの気持ちに目を向けるような養育支援を1か月に1回、1年間を通して行い、介入効果について検証した。その結果、里母の養育効力感、育児ストレス、子どもの問題行動に関する認知に関して変化が見られるケースがあった。また、介入後のインタビューから、子どもの行動の背後にある気持ちに目を向けることを意識するようになったと回答する里母がおり、本研究の介入方法が一定の有効性を持つ可能性が考えられた。
里親子支援
今後、里親(特別養子縁組を含む)のもとで暮らす子どもたちが増加することを考えると、里親支援のあり方について検討することは急務である。本研究の成果により、1か月に1回の介入において、里母が里子の行動の背後にある気持ちについて目を向けられるようになる可能性、養育効力感、育児ストレス、子どもの問題行動の認知についても影響を及ぼす可能性が示唆された。これらの成果は、今後の里親支援のあり方を検討する上で社会的意義があるといえる。