2024年2月~3月に高齢者および活動を支援する専門職を対象にインタビュー調査をおこなった。 高齢者に対しては、①活動の動機、②活動の継続理由、③ともに活動する高齢者の存在、④専門職に期待することの4点をたずねた。専門職には①担当地域および居住する高齢者の特徴、②担当者となった頃から現在までにおこなってきた具体的支援内容、③支援に関して、意識している点およびその理由をたずねた。実施にあたっては、文書にて調査目的および方法を説明し、同意書を取り交わしたのち、ICレコーダーにて録音し実施した。録音データは逐語録を作成し、分析をおこなった。 インタビュー結果から、専門職が高齢者の地域活動を支援する際、①地域で活動するまでにステップを設ける、②新たな知識を獲得できる学習の場を定期的に設ける、③参加高齢者の感想を具体的な言葉でフィードバックする、という点が共通してみられた。高齢者が地域のサロンなどへ派遣されるまでの準備段階として、施設内でおこなわれる認知症予防教室などの場を活用し、地域での活動がイメージできるよう練習の場を設けていた。そして、派遣にあたってははじめて派遣される者と経験のある者をペアにし、経験の継承ができるようにしていた。さらには、参加者からの感想を意識的に活動する高齢者に伝えることによって、次の活動への意欲を高めるかかわりがされていた。 専門職は、段階を追って具体的に活動のなかでどのようにふるまえばよいか知識と体験の面から学習できるよう仕組みを作っていた。段階を設けることは、新たに派遣される高齢者にとっては気持ち準備ができ、モチベーションを高めることへとつながっていることが推察された。加えて、高齢者が地域における活動を継続していくためには自身の経験を共有するだけでなく、新たな知識を獲得することが活動意欲の面においても重要であることが示唆された。
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