研究課題/領域番号 |
19K13976
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
平田 祐太朗 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 准教授 (80770817)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 発達障害児者 / 家族支援 / 相互交流 / 効果評価 |
研究実績の概要 |
これまでの実践・調査で得られたプログラムを実際に介入した際の保護者に対する効果に関するデータ収集を行ってきた。昨年度は得られたデータを分析,考察を行い研究成果として国際学会「International Psychological application conference and Trend 2021 」にて発表し,また「Psychology Applications & Developments Ⅶ」において「The Effectiveness of a Mutual Exchange Support Program for Parents of Children with Development Disorders」というタイトルで掲載をされた。 これは研究の目的の根幹となる検証であり,POMS-Ⅱについては概ね想定通りの効果が得られた。さらに分析を通して「子どものふりかえり」が保護者の中で行われているかどうかが特にPOMS-Ⅱにおける効果と関連していることが示され,特にプログラムの中でも重要な点を示すことができた。上記分析,考察を通してプログラムの有用性とその意義が確認されたと考えている。 当初の当該年度の実施計画であったガイドライン等の社会への積極的な発信については,従来のプログラムの形態だけではなくオンラインという想定とは異なる形態での実施も含めて改めて精査を行っている段階である。 また,これまでのプログラム効果研究で得られた家族支援に関する成果を援用して,「教師・保育者のためのカウンセリングの理論と方法」という著書の中で「保護者支援とカウンセリング」を分担執筆を行い,教師や保育者が知っておくとよい有用な家族への支援について考察を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまで得たデータを用いて国際学会にて発表,また研究成果の公表を行ってきた。しかし昨年度に引きつづき新型コロナウィルスの影響により保護者を参集することが難しいことや,移動に制限が課されている時期が多く,プログラム自体の実施形態の変更や調査,打ち合わせの変更など流動的な中での研究活動となっているため,やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進について,まずは得られた成果を積極的に発達障害児者当事者家族に対してフィードバックを行っていくことで,成果の社会還元と得られた知見の妥当性や有用性を検討していくことを想定している。また検討を通して得られた課題をプログラムに改めて落とし込んでいき,プログラム実施のための簡易のガイドラインの作成を引きつづき行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの影響等により当初予定していた国際学会での発表など旅費等の使用が困難であった。またプログラムを対面で実施する想定で計上していた旅費やそれに係る費用なども未実施となっている。一部は別途発達障害をもつ児童の保護者を対象としたオンライン調査を実施するなどして研究計画の修正と補完を行った。 次年度はコロナウィルスの社会への影響を検討しながら,プログラム実践含めて研究にて得られた知見のさらなる社会への発信に向けて使用を行う予定である。
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