まず、令和5年度の研究成果は以下の通りである。 第1に、バイデン政権期におけるメディケイド改革の内容を、2010年患者保護アフォーダブルケア法(Patient Protection and Affordable Care Act of 2010;通称「オバマケア」)成立後の政策展開をふまえて整理した。第2に、バイデン政権発足後にテキサス州議会において審議されたメディケイド改革の論点を、オリジナル・メディケイドとメディケイド1115ウェイバーの対応関係を中心に抽出した。 次に、研究期間全体を通じて実施した研究の成果は以下の通りである。 第1に、オバマケア成立後のメディケイド改革における州財政の論理を、テキサス州の事例に基づいて明らかにした。この研究の成果は、「テキサス州のポスト・オバマケアのメディケイド扶助改革における州財政の論理:『負担に見合う』連邦補助金を用いた医療ニーズへの対応」と題する学術論文として公開した。第2に、オバマケア成立からトランプ政権を経てバイデン政権の発足に至るまでの期間におけるテキサス州のメディケイド改革をめぐる州・連邦政府間関係のダイナミズムを明らかにした。この研究の成果は、「テキサス州のメディケイド1115ウェイバーをめぐる州・連邦政府間関係の動態:連邦政策を見据えた州政策の展開」と題する学術論文として公開した。第3に、これらの研究成果を足掛かりに、オバマケア成立後の州政府によるメディケイド改革の成果および課題に関する研究を、州政府および連邦政府の政策展開を中心に行った。
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