本研究は、多文化を背景にもつ介護職員によって実践される介護実践を「多文化介護共生介護実践」と定義し、実践のあり方に向けた提言を目指すことを研究の目的とした。諸外国とわが国の介護概念の相違と今日のグローバル社会に即した新たな介護概念を想起する必要性を明らかにし、従来の介護概念と実践のあり方を柔軟に変容させていくことの重要性を提言した。また、インドネシアを対象国として、わが国の介護実践に関連する保健医療政策や看護人材育成、社会福祉制度に関する情報を体系化した。さらに外国人介護職員に焦点化し、異文化適応と意識変容の構造を明らかにすることで、多国籍の職員による介護実践における相互理解の重要性を示した。
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