本研究では児童養護施設の施設長を対象に管理者としての視点から措置変更をどのように捉えているかについて面接調査を実施した。質的分析により児童養護施設の施設長からみた児童の措置変更について明らかにするとともに,施設を管理する立場である施設長独自の視点やかかわりの工夫,施設長ならではの思いや葛藤等を明らかにすることを目的とした。結果から施設長の役割として,<チームの判断を尊重する>ことを大切にしていることが示された。その一方で「本当にやりつくしたのか」「もう少しやれることがあるのではないか」といった思いが湧いてくることが語られた。その両価的な思いや葛藤が職員との齟齬につながる可能性が示唆された。
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