研究課題/領域番号 |
19K13986
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
荻野 剛史 東洋大学, 社会学部, 准教授 (00410861)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 難民 / 統合 |
研究実績の概要 |
2019年度は、①本研究に関わる研究動向の調査、②滞米ベトナム難民(現在、または過去に米国で生活経験のあるベトナム難民)に対するインタビュー調査の実施(1回目)、③「統合」概念に関するリサーチの実施を計画していた。 このうち①に関しては、国際学会への参加により実施した。また②については長い期間ベトナム難民として滞米経験がある人物にインタビューをすることが出来た。このインタビューにおいて、米国での生活では、難民に対する公的な支援の利用については語られなかったものの、民間セクターによる支援が充実していること(例えば、来米当初における宗教団体による金銭支援や、就職先による高等教育への就学支援)、本人の働きによって日常生活の諸側面について、希望する方向への変容が見込めること、周囲の人々(例えば、同僚)から、少なくとも表立った差別的な扱いはなかったことなどが語られた。なお、本インタビューはプレテストの一端を成しており、インタビュー終了後、聴取が不足している点も確認できた(例えば、公的な支援やその利用の有無など)。再度訪問して追加で聴取したい。また本インタビューでは、他のインタビュー対象者についても紹介頂いた。現状では新型コロナウィルスによる渡航制限のためインタビューが実施できないが、渡航可能となった段階で実施したい。また③については、関係する資料の収集を実施ているものの、図書館の利用制限によって纏めるには至っていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前述の「研究実績の概要」とも重なるが、①本研究に関わる研究動向の調査、②滞米ベトナム難民に対するインタビュー調査の実施(1回目)、③「統合」概念に関するリサーチについて実施したが、このうち②と③については、新型コロナウィルスによる世界的な渡航制限などによって、当初の想定よりも遅れている。このため「(3)やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
当面の作業として、インタビュー対象者と継続的にコンタクトを行い、新型コロナウィルスに伴う問題が解消され渡航可能となった段階で、紹介いただいた他のベトナム難民(滞米中)にコンタクトを行い、インタビュー調査を継続したい。また様々な媒体を用い、「統合」概念に関するリサーチを継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
合理的な支弁に努め、また新型コロナウィルスによる渡航制限などにより研究実施の一部に支障が生じたため、次年度使用額が発生した。次年度以降、本年度実施できなかった研究活動を行うことで支弁する予定である。
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