研究課題/領域番号 |
19K14001
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
金 圓景 明治学院大学, 社会学部, 准教授 (40635182)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 認知症 / 意思決定 / 意思決定支援 |
研究実績の概要 |
これまでの研究では、認知症ケアにおける意思決定支援プログラムの開発を目的に、文献研究と調査研究を通して、認知症の人の意思が尊重される支援プログラムの開発を検討してきた。文献研究の結果、医療や終末期など、特定場面の意思決定支援におけるガイドラインやツールが増え始めている一方、日常生活における意思決定支援のあり方を検討した研究は不充分であることが把握できた。また、これまでに検討されている認知症ケアにおける意思決定支援に関するツールやガイドラインは、究極の選択に迫られた支援者のためのツールやガイドラインであると言わざるを得ない。 そこで、今年度は調査を始めて間もないが、認知症の人の意思決定に携わっている後見支援の現場を中心に参与観察を行っている。認知機能の低下がみられる当事者が在宅で生活を続ける中で、支援者はどのように本人の意思を把握し、その意思を実現するために、どのように関わっているかに注目しながら、参与観察を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度は、産前産後の休暇、育児休業の取得のため2021年4月25日から研究を中断し、2022年3月から研究を再開しているため、あまり進んでいない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究課題は、大きく二つある。 まず、一つ目に認知症の人と家族が意思決定プロセスに適時・適切に参加するために、どのような支援が必要か文献研究及び調査研究を通して明らかにする。国内外の関連先行研究から認知症の人と家族の意思決定プロセス参加の現状と課題を明らかにした後、調査項目を確定する。調査では、認知症の人と家族、関連専門職を対象に、意思決定プロセスに関わっており、どのような支援があれば、適時・適切にかかわることができるかを把握し、認知症の人と家族が意思決定支援について理解し、活用できるために必要なプログラムを検討する。 次に、二つ目に一つ目の調査結果、把握できた内容を参考に、認知症の人と家族に必要な支援プログラムを開発する。認知症ケアに携わる専門職を対象に、認知症ケアにおける意思決定支援プログラム開発に向けた調査を通して関連ツールやガイドラインを活用する方法を検討する。その後、活用方法などを伝えるプログラムを実施し、その効果と課題を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で高齢者福祉現場での調査研究が難しかったこと、また産前・産後休暇、育児休業の取得のため研究を中断していたことから次年度使用額が生じている。 今後、アンケート調査とインタビュー調査実施、認知症ケアにおける意思決定支援に関するリーフレット作成などに研究費を活用する予定である。
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