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2020 年度 実施状況報告書

自殺率の高い離島の市における自殺の現状分析と自殺防止に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K14003
研究機関琉球大学

研究代表者

波名城 翔  琉球大学, 人文社会学部, 講師 (70768811)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード離島 / 自殺
研究実績の概要

本研究では橋等で本土とつながっていない全国の離島63市町村(8市31町24村)を研究対象とし統計法33条の規定に基づき平成20年から平成30年までの人口動態調査死亡票を申請し集計を行った。その結果、離島の自殺者の特徴として①性別:男性、②死亡月:4月、5月、③年代:50代、60代、④家族構成:単身者、⑤職業:無職者があげられた。また、性別間の自殺数について男性と女性では約5倍の差が見られた。今後の自殺対策の在り方として共通した特徴もあるが、年代や配偶関係等の項目で相違点も見られることから男女別の自殺対策を講じる必要があると考えられた。
次に、住所地と受付自治体が相違している自殺者146人について同様に集計を行った結果、自殺の場所及び方法では自宅での縊死の割合が最も多かった。年齢別では、20代の割合が島内自殺者と比較し高かった。自殺先の市町村では、「市」では、本土の同県内の県庁所在地や同規模レベルの市での自殺が多かった。「町」でも同様の傾向があるが、鹿児島県、沖縄県では、奄美市や石垣市などの離島の市での自殺者が多かった。「村」では、近隣の離島の市や町での自殺者の割合が高かった。①本土での自殺、②近隣の離島への自殺が見られたことから、市町村行う自殺対策に関して、島内で生活する住民だけを対象にするにではなく、島外へ移住する者や島外から移住してくる者に対しての対策も行う必要があると考えられた。特に、若い世代は、島内での自殺数としては少ないが、島外での自殺する可能性が高いため若い世代への対策にも重点をおく必要があると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度においては自殺率の低い離島自治体へのフィールドワークを予定していたが、新型コロナウィルスの影響で離島自治体の多くが島外からの受け入れを不可としたため、調査が行えなかった。

今後の研究の推進方策

令和3年度は令和2年度に予定していた自殺率の低い離島自治体へのフィールドワーク調査及び離島の自治体(市)への調査を行う。並行して離島ごとの人口動態調査死亡票の申請を行い詳細な分析をしていく。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルスの影響により、対象となる離島自治体が島外者の受け入れが困難となったため旅費が使用できなかった。次年度は今年度実行できなかった対象となる離島への調査を行う予定とする。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 離島市町村における自殺の特徴-島内に住所を有する者の島外での自殺に着目して-2021

    • 著者名/発表者名
      波名城翔
    • 学会等名
      日本社会精神医学会
  • [学会発表] 離島の市町村における自殺の特徴-人口動態調査死亡票の集計分析から-2020

    • 著者名/発表者名
      波名城翔
    • 学会等名
      日本島嶼学会

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公開日: 2021-12-27  

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