葉菜類であるクレソン(Nasturtium officinale)はフェネチルイソチオシアネート(PE-ITC)や1,3-ジフェネチルウレア(PE-UR)を含有している。マウスを用いた動物実験から、これらの物質を摂食した場合、体内で脂質メディエーターの調節に関わる可溶性エポキシヒドロラーゼを阻害することにより、抗炎症効果を発揮することがわかった。また、炎症との関わりが指摘されている腸内菌叢を調べたところ、PE-ITCは菌叢を著しく劣化させるが、PE-URはクレソン粉末と同じく悪影響を与えないことがわかった。以上より、クレソンが示す抗炎症効果の主たる機能性成分はPE-URであると考えている。
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