研究課題
若手研究
本研究では、水溶性食物繊維摂取による腸内環境の改善が食欲に与える影響に関して、腸内環境と概日時計の観点から検証した。マウスに対して水溶性食物繊維である難消化性デキストリン含有の高脂肪食を給餌することで、摂食量の低下や腸内環境の改善が確認された。さらに、上記のマウスの糞便を別マウスに移植したところ、移植されたマウスの高脂肪食に対する摂食量が低下することも確認された。嗜好性に対する食欲と概日時計との関連までは見いだせなかったが、水溶性食物繊維の摂取が過剰な食欲の抑制に関与することが示唆された。
時間栄養学
本研究課題の成果は、腸内細菌叢・腸内環境の改善が嗜好性の高い食べ物に対する過剰な食欲(本研究では高脂肪食に対する過剰な食欲)の抑制につながる可能性を示唆する基礎的データであり、今後のヒト栄養を考える上での基礎的情報となり得ると考えている。今後さらなる検証が必要ではあるが、本研究ではヒト応用の部分も踏まえて水溶性食物繊維の含有量を決定していることから、ダイエットが必要な肥満患者などに対して食欲を抑制するための新たなターゲットとなることが期待される。