研究課題/領域番号 |
19K14044
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
串田 修 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 講師 (30612725)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 野菜 / 多様性 / 品目数 / 収束度 |
研究実績の概要 |
近年、野菜摂取の量(amount)とは独立して、多様性(variety)が生活習慣病のリスクを減らす可能性が複数報告されている。効果的な働きかけの解明に向けて、人々の野菜摂取量に関わる要因は数多く研究されている一方、多様性の関係要因はほとんど明らかとなっていない。そこで、本研究では、摂取する食品が多種に渡る日本人において、野菜摂取の多様性にどのような要因が関わっているかを明らかにする。 2019年度は、属性の異なる集団における連続した7日間の非定量的な食事記録から抽出した野菜の品目数により、野菜摂取の多様性を把握した。対象集団は、新潟県の農村部の住民、新潟県内の大学に所属する農村都市部の学生、奈良県内の大学に所属する都市部の学生である。また、野菜摂取の日数と品目数の逆数プロットから収束度を把握することにより、理論的な最大摂取品目数を算出した。その結果、野菜摂取の多様性として把握した品目数は20~24品目であり、7日間の調査では、属性の異なる集団間で野菜摂取の多様性に有意差はみられなかった。しかし、理論的な最大摂取品目数に対する野菜摂取の品目数の把握程度は50~70%と幅があった。 今後は、当該年度に実施した研究の成果を学会発表および雑誌論文により公表を進めるとともに、日本人における野菜摂取の多様性を評価する尺度を開発するため、季節の影響を考慮したより長期間の食事調査により、属性の異なる集団別の頻出野菜を集計していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の異動に伴い、フィールドワーカーの確保に時間を要したため。現在は調査実施体制が整い、調査準備・集計期間の節減を図ることで今後の研究内容も変更なく実施できる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度までに野菜摂取の多様性を評価する尺度を開発し、2022年度中には開発した尺度の妥当性・信頼性の確認および野菜摂取の多様性に影響する要因の検討を終える予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
フィールドワーカーの確保遅延による当該助成金が生じた。翌年度分として請求した助成金と併せ、フィールドワークに係る旅費へ使用する計画である。
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