研究課題
2023年度は、前年度に学会発表した野菜摂取の多様性に係る尺度の妥当性と再現性を検討した研究成果を雑誌論文へと掲載した。また、当該尺度により野菜摂取の多様性に関連する要因を探索した。対象集団は、新潟県の農村部の住民である。妥当性と信頼性が検討された尺度により野菜の摂取量と多様性を、質問票により野菜入手先別の利用状況と野菜産地別の摂取頻度を把握した。その結果、野菜摂取量は、野菜入手先では男性で自給利用者が非利用者に比べ有意に多かった。野菜摂取の多様性は、野菜入手先では男性でもらいもの利用者が非利用者、スーパーマーケット非利用者が利用者、女性で地区外直売所利用者が非利用者に比べ有意に高かった。野菜産地では男性で地区産野菜の高摂取者が低摂取者に比べ有意に高く、女性で市内産野菜の高摂取者が低摂取者に比べ有意に高かった。研究期間全体を通じて、第一に、習慣的な野菜摂取の多様性は2日以上の食事記録により推定(連続7日間の調査により最大理論数のうち約7割を推定)できることを報告した。第二に、野菜品目ごとの尺度は単一質問や野菜グループごとの尺度と比較して許容可能な妥当性と再現性があり、野菜摂取の多様性を測定できることを報告した。第三に、男性の自給野菜やもらいもの野菜の利用は野菜摂取量や多様性の高さ、スーパーマーケットの利用は多様性の低さと関連し、女性の直売所の利用は野菜の多様性の高さと関連することを報告した。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)
JMIR Formative Research
巻: 8 ページ: e55795-e55795
10.2196/55795