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2021 年度 実施状況報告書

マルチリンガル(多言語話者)の熟達体験から捉える外国語の学びの質的分析

研究課題

研究課題/領域番号 19K14053
研究機関東北大学

研究代表者

尹 得霞  東北大学, 教育学研究科, 助教 (40756053)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードマルチリンガル / 多言語話者 / ことばの学び / 質的分析
研究実績の概要

多文化共生社会とグローバル化が進み、グローバル人材の育成が急務となっている現在の日本社会において、英語教育の重要度は一層高まっている。しかし日本の英語教育では「文法重視でコミュニケーションに使えない英語」や早期英語の指導人材不足、更には生きた英語環境に触れる機会が少ないといった問題提起がなされている。一方、外国にルーツを持つ子どもたちの中には、いわゆるマルチリンガルといった多言語を活用できる人物も存在する。そうした人々の外国語学習体験には、英語を含めた外国語の深い学びに関わる重要な手掛かりが多く存在している。マルチリンガルを育てる言語教育は,言語に対する態度や言語への気づきの育成というメタ言語能力の開発に重要な役割を果たすと考えられる。しかしながら,マルチリンガルの子どもを育てる家庭の中で,保護者がどのように言語教育の環境を構築しているのか,どのような教育的かかわりを行っているのか,それはどのような言語教育観に基づいて行われているのか,といった,マルチリンガルを育てる言語教育の詳細に立ち入った研究の蓄積は未だ十分になされてはいない。
そこで本研究では,子どもが複数言語を同時に学んでいる在日中国人家庭を対象とし,「ことば」を学ぶ環境が子どもの成長の中でどのように構築されるか,そうした環境構築の背景にはどのような母親の言語教育観が存在するのか,母親の語るライフストーリーにより明らかにすることを目的とする。
2021年度は、新型コロナウィルス感染症の行動制限が一部緩和されたことを受けて、調査研究の中の一部の対象者の家庭を訪問し,下記2点について現地でのインタビュー調査を実施した。
(1)「ことば」を学ぶ環境が子どもの成長の中でどのように構築されるか
(2)「ことば」を学ぶ環境構築の背景にはどのような母親の言語教育観が存在するのか

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

一部家庭の対象者は新型コロナウィルスを感染したことや各家庭の事情により、訪問調査の予定が何回か延期となったため、当初の計画よりもデータ収集が若干遅れた。
しかしながら、調査の依頼を受けた家庭の対象者を数名増やし、コロナ状況下で言語学習の調査対象を改めて定めたので、次年度オンラインインタビューと現地調査を並行し、データを収集し、分析を進める上で大きな問題はない。

今後の研究の推進方策

前年度に実施したインタビュー調査の内容に基づき、対象者の成人した子ども(複数名)を対象とし、継続にインタビュー調査を実施する。また、今年度では、四言語を学ぶ家庭の調査対象者を選出したため、四つ言語を学ぶ家庭の現地調査を実施する。
また、新型感コロナウィルス染の状況を懸念し、zoomを活用する遠隔調査方法も備える。

次年度使用額が生じた理由

今年度は、新型コロナウィルスの対策による防止が緩和され、現地調査が可能な場合は、家庭訪問し調査を実施する予定である。そのため、旅費や謝礼として使用する計画である。また、新型コロナウィルスに備えて、オンラインインタビュー調査のための通信設備の機器やソフトウェアに使用したいと考える。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 母親のライフストーリーから捉えた子どもの多言語習得環境の構造-在日中国人家庭の言語教育観を中心に-2022

    • 著者名/発表者名
      尹得霞
    • 雑誌名

      『東北大学大学院教育学研究科研究年報』第70(2)号

      巻: 70(2) ページ: 刊行中

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公開日: 2022-12-28  

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