研究課題/領域番号 |
19K14056
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研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
山田 亜紀 玉川大学, リベラルアーツ学部, 助教 (30768776)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | STEAM / 学際性 / 異文化理解 / 国際理解 / 文理融合 |
研究実績の概要 |
今年度は、コロナ禍により、海外へのフィールド調査、国内外での学会参加をすることができなかったため、主に研究執筆、文献調査、そしてオンラインによる遠隔学会参加を行った。コロナ感染症の影響が世界規模に及ぼす前の前年度に、国内外でのフィールド調査、学会に参加することがつつがなく計画通りに進み、そこで得た知見と構築した人的ネットワークをもとに、オンラインでのインタビューと発表を行うことができた。前年度にフィールド調査でアメリカのロサンゼルスにあるUCLA校の「STEAMサマープログラム」、およびオーストリアにあるリンツでの「メディアアートフェスティバル」参加して、そこで得た知見を踏まえ、データを分析し、今年度はオンライン国際学会、また論文執筆を行った。まず、英語論文としてJournal of Comparative & International Higher Educationに自身の単著論文”Japanese Higher Education: the Need for STEAM in Society 5.0, An Era of Societal and Technological Fusion”が採択され掲載された。またDoshisha Center for Higher Education and Student Research International Conference 2020でも”Importance of STEAM education: Media Art in Societal and Technological Fusion”を英語で発表した。この学会で知り合った韓国、台湾、アメリカの学際教育に関わる研究者とも親睦を深め、オンライン対談で意見を交換し、遠隔という制約を受けながらも知見を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍でなかなか国内や海外の出張や学会参加は直接できないものの、遠隔会議を可能とするテクノロジーの加速度的進歩のおかげで、オンラインながら積極的に調査対象と交流し、情報を得ることができている。ただし、フィールド調査を通して現場の声を直接聞き、自分の目でデータとなる調査対象を扱う質的調査を主な研究手法にしているため、本来の研究の狙いとは隔たりを感じている。なかなか簡単に海外に行けなくなったため、今は文献調査を中心に、これまで扱ってきたデータを更に深く分析し、執筆活動に取り掛かっている。現在、関連学会の要請を受け、アジア、とりわけ日本のSTEAM/STEM教育の英語論文を二本執筆に取り掛かっており、第二原稿を書き終え、編集者とのやりとりをしている段階である。まず一つ目の英語論文は、Oxford Pressから出版される予定である『Oxford Handbook on Higher Education in Asia, STEM in the Context of Asia-Pacific Countries』で、自身の単著として” STEM in the Context of Asia-Pacific Countries”を執筆した。もう一つは、Springer出版社から出版される予定である『International Handbook of Globalization, Education and Policy Research』で、単著として”Globalization in Higher Education: Bridging Global and Local Education”の英語論文である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の三年目に、主に一年目に自分自身が直接に国内外で集めたデータと接触した研究対象を分析し、英語で論文を執筆する。また、改めて日本語でも論文を作成する予定である。主に、異文化教育学会、大学教育学会などで発表を経て、ご意見とご指摘を賜った上で論文化する予定である。先に述べたオンライン会議などで知り合った研究者にオンライン上でインタビューや対談を行い、データを蒐集し、新たな知見を得るにとどまらず、協力研究者になっていただくことで、ご協力を仰ぎながら、幅広くSTEAM教育と学際性について研究を行なっていく予定である。コロナ禍により、教育の分野を始め、世の中が益々テクノロジーに対する依存度を高めていく中、改めて学際教育とは何か、という問いを考えるきっかけにもなった。簡単に海外に渡航できない状況下で、国際的な視野を養い、学際性を学ぶことの必要性など、改めて自身の研究の問題定義を見つめ直すことができた。同じテーマに対する異なる見方や新しいアプローチを改めて考えるきっかけにもなった。上記の背景を意識した上で、引き続きオンラインでデータを集め、遠隔でインタビューや対談を続け、論文執筆に取り掛かっていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本来は2020/12/15日に所属の大学を経由して、513,800円のパソコンを購入する予定であったが、納品ができなかったとの連絡を受けたため、予算が余ることとなった。この余った予算は次年度に繰り越す予定である。
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