本研究の目的は、准看護婦の養成及び身分保障を支えてきた社会経済的メカニズムと、1960~1970年代におけるその変容を、若年女性の職業選択と教育訓練との関係の観点から明らかにすることである。明らかになったことは主に2点である。第一に、准看護婦制度に関する日本看護協会の方針は、原則廃止を求めるものである一方で、政治状況等への対応の中で制度改革に関する検討は必ずしも一貫したものではなかったということ。第二に、看護職全体の職能形成や待遇改善をめぐっては、日本看護協会と政党や労働組合との関係がその後の時代と比べて複雑であったということである。
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