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2020 年度 実施状況報告書

フィンランドすべての住民に開かれた生涯学習機関の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K14070
研究機関福知山公立大学

研究代表者

大谷 杏  福知山公立大学, 地域経営学部, 准教授 (50760576)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード生涯学習 / ロヴァニエミ / 市民カレッジ / リベラル成人教育
研究実績の概要

2020年度は新型コロナウイルスの影響により、フィンランドへの渡航が叶わなかった。
そのため、前年度である2019年度に行ったロヴァニエミ、オウル、ヘルシンキへの調査結果をできる限りまとめ、発表することを目指した。
夏に行った学会発表1本と冬に行った査読論文の執筆は、いずれもロヴァニエミのロヴァニエミ市市民カレッジとロヴァーラ市民カレッジに関するものである。特に論文では、当初の研究の目的、研究実施計画に照らし、1.センターの立地、2.広報方法、3.他機関との協力関係、4.学習者の状況、5.講座(講座が行われる期間、時間帯、曜日、講座の特色など)に関し、2カレッジへのインタビュー調査や現地で入手した各種資料に基づいて比較分析を行った。
その結果、1.市立と私立の間に講座の種類の面で地理的に役割分担が行われている点、2.講座の開講時間の多くが月曜から木曜までの平日や夜間に設定されている点、3.ニーズ調査を入念に行った後に講座設計へと至っている点、4.学校、保育園、図書館、村の家など既存の施設が活用されていること、5.受講料が2~3か月で6000~7000円という安価に抑えられている点が見いだされた。また、案内の小冊子を街の繁華街のラックに置く、講座のデモンストレーションを出向いて実施するなど、積極的な広報活動も行われていた。ロヴァニエミ市内の2つの市民カレッジに関しては、これらの点が特徴的であり、幅広い世代の市民の生涯学習への参加に結びついていると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルス蔓延により、フィンランドへの渡航が叶わなかったことから、研究計画より約1年計画が遅れている。今年度訪問予定であったタンペレ、ユヴァスキュラ、トゥルクでの調査が実施できていないため、2021年度以降にそれらの調査を行いたいと考えている。

今後の研究の推進方策

今後、新型コロナウイルスの蔓延が収束し、フィンランドへの渡航が許される状況になった場合、2020年度に実施できなかった各地での調査を行い、2019年度に調査を実施したロヴァニエミとオウルの事例も含めて、フィンランド全土の市民カレッジの地域差を含めた比較検討を行っていきたい。また、新型コロナウイルスの早期の収束が見込めない場合、インターネット上で入手可能な資料を積極的に活用し、フィンランド国内の生涯学習施設の新型コロナの影響も併せて検討していきたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

2020年度は新型コロナウイルス蔓延の影響により、フィンランドへの渡航が叶わなかったため、2021年度以降に2020年度に当初行う予定であったタンペレ、ユヴァスキュラ、トゥルクへの調査を実施する。そのための2020年度に使用できなかった予算は、その際の渡航費や現地での宿泊費、交通費として使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 地方都市在住者の生涯学習に関する 参加要因の検討 ―フィンランド・ロヴァニエミ市での事例調査から―2021

    • 著者名/発表者名
      大谷 杏
    • 雑誌名

      福知山公立大学研究紀要

      巻: 第5巻第1号 ページ: 1-14

    • 査読あり
  • [学会発表] フィンランド地方都市における生涯学習講座への参加促進要因 -ロヴァニエミ市・市民カレッジへの調査から2020

    • 著者名/発表者名
      大谷 杏
    • 学会等名
      日本教育学会

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公開日: 2021-12-27  

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