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2021 年度 実施状況報告書

フィンランドすべての住民に開かれた生涯学習機関の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K14070
研究機関福知山公立大学

研究代表者

大谷 杏  福知山公立大学, 地域経営学部, 准教授 (50760576)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードフィンランド / 成人教育 / 市民カレッジ / 生涯学習 / カリキュラム / 職業学校
研究実績の概要

3年間のうち、初年度である2019年のみ渡航することができたため、その際に得た資料に基づき、少し視点を拡げた上で研究を進めた。当初は生涯学習機関のみを対象とした研究であったが、研究を進めていく上で、フィンランドの生涯学習統計には職業教育の類も含まれていることが明らかとなり、オウル市を訪れた際に職業学校も訪問した。2021年度は当時の記録に基づき、市民カレッジと職業訓練校、両者に関わる研究を行った。成果として、2つの学会発表(「フィンランドの市民カレッジが提供する生涯学習講座に見られる特徴-講座内容、開催時間、開催場所、受講料に着目して-」日本学習社会学会第18回大会、オンライン開催、2021年8月28日、「フィンランドの職業訓練校-OSAO 訪問を通して」日本国際教育学会第32回大会、オンライン開催、2021年10月9日)を行い、1本の論文(大谷杏「フィンランドの職業学校の現況と成人教育との関わり-北部地域での現地調査結果より-」福知山公立大学研究紀要 6 (1), pp.53-62)を刊行した。職業学校と市民カレッジとの関連性や職業学校内部の成人学生への配慮等は今回の調査のみで見出すことはできなかったが、市民カレッジの研究では、オウル市内のヴォーレ・カレッジが2019年度に開講した428講座の内容を分析し、分野別、開講場所、開講曜日、開講時間、1回あたりの受講時間、受講期間、受講料ごとに分類した結果、体を動かす参加型の講座が多いこと、広い市域で開講場所として多種多様な既存の施設が用いられていること、たくさんの講座が平日の夕方以降に開講されていること、受講料が安価に抑えられていることを見出した。これらは昨年行ったロヴァニエミの2つのカレッジの分析結果と重なる点が多いことから、今後、他の地域の分析結果も含めて、この特徴が国内全域に当てはまることなのか更なる検討が必要となる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本研究を開始した翌年である2020年度以降、新型コロナウイルスが全世界的に蔓延し、計画していた3年間のうち2年間、フィンランドへの渡航が叶わなかった。ユヴァスキュラ、タンペレ、トゥルク、ヨエンスー、ヘルシンキの市民カレッジへの訪問が未だ実現できていない。渡航できなかったことにより、現地でのインタビュー調査の実施だけでなく、現地で調達予定であった各機関の講座案内パンフレット等も得ることができず、2年ほど研究に遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

2019年度の渡航時に得た情報に基づき、日本国内からインターネットを介して得られる資料から時系列的なカリキュラムの分析等に焦点をシフトしていくことを検討している。新型コロナにフィンランドの市民カレッジはどのように対応したのか、カリキュラムにどのような変化が見られたのか、コロナ前の資料が手に入る機関は限られているが、コロナ前、コロナの影響を受けている最中、コロナ後の変化を確認していきたい。
また、再び渡航許可、及び取材許可が出た際には、計画していた都市の市民カレッジに加え、2019年の調査により現地で得た情報に基づき、国内最大級の市民カレッジのひとつであるラハティの市民カレッジも訪問したいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス蔓延のため、2020年度以降、フィンランドへ渡航しての調査ができなかったため、次年度に繰り越して、研究の継続を希望している。渡航が再開され、受け入れ側からの許可を得て、フィンランド国内での活動が可能になれば、2020年度と2021年度に行う予定であった調査を行いたいと考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] フィンランドの職業学校の 現況と成人教育との関わり -北部地域での現地調査結果より-2022

    • 著者名/発表者名
      大谷杏
    • 雑誌名

      福知山公立大学研究紀要

      巻: 6(1) ページ: 53-62

    • オープンアクセス
  • [学会発表] フィンランドの市民カレッジが提供する生涯学習講座に見られる特徴-講座内容、開催時間、開催場所、受講料に着目して-2021

    • 著者名/発表者名
      大谷杏
    • 学会等名
      日本学習社会学会
  • [学会発表] フィンランドの職業訓練校-OSAO 訪問を通して2021

    • 著者名/発表者名
      大谷杏
    • 学会等名
      日本国際教育学会

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公開日: 2022-12-28  

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