研究課題/領域番号 |
19K14076
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
岩木 勇作 創価大学, 文学研究科, 研究員 (60824042)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 校訓 / 教育勅語 / 戊申詔書 / 勅語の御趣旨 / 小学校教則大綱 / 修身教授法 / ヘルバルト派教育学 / 多方興味説 |
研究成果の概要 |
本研究は、明治期に制定された各学校の校訓が、教育勅語を相対化して自校教育の中に位置づける機能を持つことを明らかにすることを目的としている。明治期の校訓調査の結果を分析し、自校教育と詔勅をどのようなレトリックで結び付けていったかを、複数の事例を取り上げ論じた。また校訓制定における共通のレトリックである「勅語の御趣旨」に着目し、「勅語の御趣旨」が各学校によって校訓化され、様々な徳目・文章として表現されている、という仮説を立てた。この仮説をもとに「勅語の御趣旨」の解釈に、ヘルバルト教育学の「多方興味説」が大きな役割を持っていたことを指摘した。
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自由記述の分野 |
日本教育史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、教育勅語受容の様相を校訓という形で示そうとしたことにある。従来の研究では、教育勅語の成立史や衍義書等における解釈の変遷、不敬事件における反抗等について多くの議論がなされてきた。しかし、教育勅語発布以降に、職務として勅語に関わり実践しなければならなかった学校教員たちが具体的にどのような観点から解釈していったのかの追及はほとんど試みられなかったといえる。本研究の社会的意義は、校訓および校訓制定のレトリック分析を通じて、教育勅語の上意下達的な理解、つまり発布された理念や方針が一方的に浸潤していくような教育観・歴史観を再構築しようとしたところにある。
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