研究課題
若手研究
本研究は、教育哲学の重要な研究課題である「自律を目指す教育」の在り方に関して、自然主義的な探究(科学的知見や科学的方法を積極的に用いた哲学研究)によって、新たな理解を得ようとするものである。とりわけ情動の合理性に関する科学的研究を参照することによって、理性や意識と、感性・情動や無意識という一見対立する諸要素が、自律という教育目的の中で絡み合うことを明らかにした。
教育哲学
本研究では、無意識的な感性・感情・情動が、従来の教育哲学研究において想定されていた以上に、教育目的としての自律に関わっていることを明らかにした。人間諸科学において、情動のメカニズムやその発達、進化等についての知見は今後さらに積み重ねられていくことと思われる。今後発展が見込まれる科学的研究と、自律を目指す教育に関する(教育)哲学的研究とをつなぐ道を整備したという点において、本研究は教育哲学上の意義を有すると考える。