研究課題
若手研究
本研究の成果は大きく二点ある。一つには、社会学や政治学の議論も参照しながら、ドイツにおける「六八年運動」の帰結と現代的課題を「規律と指導のルネサンス」という視点から明らかにしたこと、もう一つには、「六八年運動」がサイコブームの起点となったように、反権威主義の教育が「心理学化」を招くプロセスを学説史的な視点から示したことである。
教育学
教育学の中で「規律」「指導」といった言葉はネガティブに響きやすく、「主体的な学び」などの見目麗しい言葉の陰に隠れやすい。しかし、教育実践上は不可避の概念であり、ドイツにおいてこうした議論を避けてきたことの自己反省が行われていることは、日本の教育学に対しても課題を提起するものである。