本研究の目的は、校内授業研究会の事例をジョイント・アテンション(以下JA)に着目して検討するための理論的な枠組みを明らかにすることであった。ある事例におけるJAの機能の具体的な仕組みを解明し、その後、全ての事例を分析して事例の類型化に基づき授業研究会中のJAの一般的機能を解明した。そして、そのような一般的機能を有するJAが授業研究会の事例研究の概念装置としてどのような限界を有していてどう改められるべきかを、理論的検討の成果に照らして考察した。それに基づき、今回の作業仮説(JAを認識するための既有の理論的な枠組み)を校内授業研究会の事例研究に適したものとして再構築した。
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