研究課題/領域番号 |
19K14099
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研究機関 | 都留文科大学 |
研究代表者 |
山辺 恵理子 都留文科大学, 文学部, 准教授 (60612322)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 教師教育 / リフレクション / 哲学対話 / 哲学教育 / プログラム開発 |
研究実績の概要 |
本研究プロジェクトは、①論理的整合性と倫理的寛容性の両方を備えた熟議のあり方を探究し、そのために必要な②合理的判断力と多様な他者と共生する能力の開発を促す教育方法を、教師教育の分野に当てはめて考察するものである。 3年度目に当たる2021年度は、昨年度オンライン化した研修プログラムを引き継いだ上で、状況を見て対面型に変更したり、オンラインと対面を織り交ぜたハイブリッド型のプログラムを新たに開発した。 まず、フレット・コルトハーヘンのリフレクション論研究に基づく教員養成課程向けのリフレクションの研修プログラムは対面に戻した。演劇ワークショップファシリテーターの菊池ゆみこ氏の協力を得たプログラムも、今年度は対面で行った。いずれのプログラムも、オンラインだった昨年度も満足度は高かったが、オンライン化を余儀なくするコロナ禍の状況を排除して考えた場合には、対面型の方が依然として満足度が高いことがわかった。 「多様な他者と共生する能力」の発達に貢献し得る哲学対話のプログラムとしては、第一に新たなハイブリッド型のプログラムを開発・実施した。映画 "Behind the Curve"を視聴し、哲学対話を行なった上で、そこで生じた「真理とは何か」に関する問いをもとに映画監督のダニエル・クラーク氏とオンラインでさらなる対話を行った。また、「死とは何か」を問う哲学対話を深めるために、在宅医療に当たる医師の小笠原清香氏を招く対面型のプログラムも実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスの影響で、①ユトレヒト大学のフレット・コルトハーヘン名誉教授へのインタビュー調査、②ハワイ大学のトーマス・ジャクソン 教授の実践の視察、③コロンビア大学のミーガン・ラヴァーティ教授らが開催している研修への参加を2年連続で中止・延期せざるを得なくなり、海外出張も行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
海外出張としては、2022年8月にハワイ大学を訪問する。また、同月に立教大学で開催される哲学対話に関する国際学会(ICPIC)に参加し、研究発表することで、国際的なネットワークの構築と最新の研究知見の収集を図る。 その一方で、国内で可能な範囲で情報収集を行い独自のプログラム開発を進め、プログラム修了生へのインタビュー調査を行うほか、学内での教員養成課程の学生を対象としたプログラムを実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外実践の視察・ヒアリング調査のための出張を、新型コロナウィルスの影響で断念せざるを得なくなったため。また、その影響で研究成果をまとめた論文等の執筆が遅れているため。 今後の使用計画としては、まず2022年8月に哲学対話に関する国際学会(ICPIC)で研究発表を行う。また、同月にハワイ大学を訪問するとともに、現地の学校を視察する。9月以降は引き続き国内で独自のプログラム開発を進め、プログラム修了生へのインタビュー調査を実施し、更なる研究成果をまとめる。
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