研究課題/領域番号 |
19K14101
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研究機関 | 福山市立大学 |
研究代表者 |
上山 瑠津子 福山市立大学, 教育学部, 准教授 (10804445)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 保育者 / 子ども理解 / メンタルモデル / 可視化 |
研究実績の概要 |
本研究では,保育者の実践知である子ども理解を構造的に可視化し,保育者相互に実践知を共有できる新たな保育実践プログラムの構築を目指し,子ども理解を保育者の信念,意図など含めた構造を明らかにすること,子ども理解と保育実践の関連を明らかにすること,そして子ども理解に基づく保育実践ツールを開発し,その有効性を検証することを目的としている。2021年度の成果は,以下の通りである。
1)2019年度に実施した調査データを分析し,保育実践ツール開発に関する知見を得るとともに、その成果に関して研究発表を行った。子ども理解の可視化の有効性が示唆されるとともに,保育者にとって自身の子ども理解を可視化する意義についてさらなる検討が必要であること,可視化の手続きを改善においてリーダー/ミドルリーダー等の園内の保育者間に相互支援につなげる必要性が見いだされた。 2)保育実践ツールの開発と検証に際し,保育現場で実際に行われている子ども理解の取り組みについて2園の保育所(公立・私立)の園長,所長,主任保育士を対象にインタビュー調査を行った。子ども理解の可視化の方法として,写真を撮ること,エピソードを書くことを通して職員間の実践やこども観の共有が図られていた。本研究における子ども理解の可視化ツールの有効性を検証する上で,昨今現場で盛んに取り組まれている写真付き実践記録やエピソード記述等の共通性や差異性を整理すること,園の課題や保育者キャリアに応じた実践支援の選択が課題になることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査および調査協力者への結果報告等,概ね予定通りに進めることができている。しかし,新型コロナウィルス感染拡大の影響から,学内外における教育研究活動の対応に伴い,当初予定していた研究成果の公開(学会発表,論文投稿)がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
これまで収集されたインタビューデータについて,分析を継続し,成果発表に取り組んでいく。また,予備調査として行った実践支援方法の改善の方向を探るために,園で実施されている実践の可視化方法との比較検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染拡大の影響から,学内外における教育研究活動の対応に伴い,当初予定していた研究成果の公開(学会発表,論文投稿)がやや遅れたため,次年度使用額が生じた。2022年度は,主に英語論文執筆に伴う英文校閲費を支出を計画している。
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