研究課題/領域番号 |
19K14107
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研究機関 | 明星大学 |
研究代表者 |
神林 寿幸 明星大学, 教育学部, 講師 (70785279)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 教職員 / 教員 / 学校事務職員 / ウェルビーイング / メンタルヘルス / 精神性疾患 |
研究実績の概要 |
本年度は、研究を進める上での環境整備と、既存調査の二次分析や政府統計を用いた分析を行い、本研究の基礎となる作業を進めてきた。主な研究実績は次の2点にまとめられる。 第一に、教員のウェルビーイングに関する国際比較を行った。2019年6月に、OECDが5年に1回実施している国際教員指導環境調査(TALIS)の第3回データが公開された。本研究課題に関連すると、今回の第3回TALIS調査では、初めて教員のウェルビーイングに関する調査項目が設定されたことが特筆される。そこで、小中学校教員のウェルビーイングの実態とこれを規定する要因について国際比較を行った。その成果については、2019年10月に開催された日本教育行政学会第54回大会の自由研究発表で報告を行った。 第二に、公立学校事務職員のメンタルヘルスに関する分析を行った。文部科学省が毎年実施する「公立学校教職員の人事行政状況調査」では、都道府県別に教職員の精神疾患による病気休職者数が公表される。管見の限り、2012年度以降、事務職員と栄養職員の同休職者数が公表されるようになり、直近では2018年度のデータまでが公開されている。そこで、関連する政府統計も使用して、2012~18年度の公立学校事務職員の精神疾患による病気休職発生率に関する都道府県パネルデータを構築し、これについて分析を行った。この研究成果については、2020年3月に『明星大学大学院 教育学研究科 年報』第5号にて研究論文として発表した。 この他に、公立小中学校教員の生活満足度や生活時間に関する既存調査の二次分析も進めている。この研究成果については、現在国内の査読付論文への投稿に向けて、分析と論文執筆を進めているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記のような研究実績をあげることができたが、当初想定していなかった学内業務の対応が必要となったこと、加えて新型コロナウィルス感染症拡大によって、以下の2つの作業が想定よりも少し遅れている。 第一に、教職員以外の労働者に関する分析である。当初の研究計画では、既存の教職員以外の労働者の労働時間や生活時間に関する二次分析を行うことを設定したが、現時点では本格的な分析に着手できていない。しかし、当初二次分析を想定していたデータよりも、質の高く、二次分析も可能な大規模調査の存在が確認された。この点は、今後の研究を進める上で大きな進展である。 第二に、教育委員会や学校への調査依頼である。学校・教職員を調査を行うにあたっては、都道府県・市町村教育委員会への調査依頼が不可欠である。そこで、まず本年度は、本研究が母集団として想定する関東地方にある1都6県と山梨県、ならびに関東地方にある政令指定都市について、教職員の働き方改革を担当する部署を調査し、リストアップした。あわせて、必要な調査項目案の作成に向けて、関連する先行研究を読み整理を行い、おおむね調査項目案の作成が完了した。その上で、当初、2020年の年明けから、調査依頼を進めることを予定していた。しかし、新型コロナウィルス感染症の発症者が日本でも確認されるようになり、やがて感染拡大が発生し、外出自粛が要請されるようになった。あわせて各教育委員会と学校も学校閉鎖への対応等の業務が増大した。これによって、調査依頼を行うことが困難となった。
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今後の研究の推進方策 |
2020年に入り、世界規模で新型コロナウィルス感染症が拡大した。そのため、当初予定していた学校・教職員を対象とした調査、ならびに海外の訪問調査が、現時点では、今後実施できるか否かの見通しが立っていない。そこで、これらの調査実施時期を当初予定よりも後に時期をずらすこと、あるいは代替措置を検討している。代替措置については、既存調査の二次分析の可能性を追求すること、実施予定調査をインターネット調査に切り替えることなどを考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症の拡大に伴い、当初想定していた予算執行が困難となったため。
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