研究課題/領域番号 |
19K14111
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
山崎 智子 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (20636550)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | イングランド / 教員養成 / 大学史 / 専門職教育 / 教養教育 |
研究実績の概要 |
初年度にあたる本年度は、イギリス(イングランド)における教員養成研究と大学史研究の到達点と限界の精査を行った。これまでの教員養成研究では高等教育との関係については十分に検討されてこなかったこと、また、高等教育研究においても教員養成は周辺的なテーマとされ重視されてこなかったことから、まとまった形で出された先行研究は少ない。そこで、本研究課題では教員養成研究および高等教育研究を広く収集・検討した。先行研究では、教員養成研究においても高等教育研究においても、「大学における教員養成」に関する言及は少ないことが確認できた。 その上で、本研究課題が対象とする19世紀初頭から20世紀初めにかけては、(1)公教育制度の成立とも関わって、教員養成は教育政策上の重要なテーマの一つであったこと、(2)イングランドにおいて大学が増加する際に、地方都市における高等教育機関設立の意義の一つとして教員養成が挙げられていること、が明らかとなった。 併せて、近年のイングランドと日本における教員養成改革の政策動向と、政策動向に関する研究についても把握した。イギリスにおいても日本においても、教員養成改革が教育制度改革の要として重要視されているなかで、特に、理論と実践の関係を養成段階でどのように位置づけるかについては議論がある。教員養成改革の検討にかかる研究成果として、教師教育(教員養成・採用・研修)制度についての教科書を執筆した(近日出版予定)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
先行研究の収集および検討については概ね予定通り終えることができたものの、年度末に実施する予定であった国内調査が実施できず、国内の大学図書館に所蔵されているイギリス教育院関係の資料の収集に遅れが生じているため。
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今後の研究の推進方策 |
当初予定においては、先行研究の精査と調査対象の選定を経て海外調査を実施し一次資料を収集する予定であったが、海外調査実施のめどが立たないことから、当初の予定を一部変更する。具体的には、イギリスの大学図書館に所蔵されている一次資料の収集に制約が出てきたため、日本国内からも収集可能な政府関係の一次資料を中心に分析していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末に予定していた調査が実施できなかったために旅費に残額が生じた。次年度は、国内調査を実施する予定であるものの、社会情勢により難しい場合には、書籍の購入にかかる物品費や資料の複写費として使用する予定である。
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