本研究は、近年の教員養成改革、特に実践重視型の教員養成の急激な拡大に対して、歴史的な視座から問い直すことを試みるものである。本研究の分析からは、大学が教員養成に関わることの意義が大学関係者のみならずその他の教育関係者からも強調されてきたこと、そして教員養成において一般的な大学教育と専門職としてのトレーニングはそれぞれ単独で存在するのではなく、その相補性が重要であると認識されてきたことが明らかになった。この点は、実践重視型の教員養成の在り方に対して再考を促す知見であるといえる。本研究はイングランドを対象とした歴史的研究ではあるが、近年の日本の教員養成改革の方向性にも示唆を与えうるものといえる。
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