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2020 年度 実施状況報告書

高大接続制度改革への試み―中国におけるAPの実現過程に注目して―

研究課題

研究課題/領域番号 19K14123
研究機関神戸松蔭女子学院大学

研究代表者

郭 暁博  神戸松蔭女子学院大学, 教育学部, 講師 (90808396)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード高大接続 / 大学入試改革 / 高校教育
研究実績の概要

令和2年度はアメリカのAdvanced Placement(以下、APと省略)に注目し、中国におけるAPの実施状況、特徴及び活用方法などについて、文献調査を中心に研究を行った。具体的には、まず中国における高大接続の特徴及び近年の改革動向を明らかにした。次に、中国における国際教育プログラムの種類や特徴を整理した。第3に、中国におけるAPの導入状況、特徴及び活用方法を検討した。
中国において、APは国際教育プログラムとして数多くの外国人学校や公立学校の国際部・国際クラスにより実施されていることが今年度の調査で明らかになった。特に、中国籍生徒がアメリカやカナダなどの英語圏の国に留学する際には活用されることが多い。APは中国籍生徒が海外の大学にアクセスするには、有効な手段として位置づけられている。また、APはより多くの国際学生が中国の大学に入学する際の評価基準の1つとして活用される傾向が見られる。一方、APを受け入れる中国の大学の数が限られており、APを高大接続段階における全国共通の評価基準として活用する基盤がまだ整っていない。
今後国際化・グローバル化がさらに進む中、APのような高大接続プログラムは、中国籍生徒が海外に留学する際の有効手段として利用するだけではなく、より多くの国際学生が中国の大学に入学する際の評価基準の1つとして活用することが期待できよう。また、中国国内の高大接続制度の中にも、APのような高大接続プログラムを導入することが必要であろう。生徒の高校段階における学習状況の評価に加え、生徒の大学の専門知識に対する理解度も把握できるような高大接続の制度設計が望まれると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

令和2年度は、中国の高等学校におけるAPの実施状況と活用方法、中国の大学におけるAPの導入状況などについて、文献調査を通して把握できた。一方、新型コロナウイルスの影響により、APを受け入れる大学におけるAPの導入・実施効果及び課題について、大学関係者や高大接続の政策関係者への訪問調査は十分に実施することができなかった。APを受け入れる大学への継続的な調査が必要である点が「やや遅れている」と判断する理由である。

今後の研究の推進方策

令和3年度は、前年度までに明らかになった高大接続における中国の政策動向や中国の高等学校におけるAPの実施状況、特徴及び課題を基盤として、APを受け入れている大学側の観点から、APの役割、期待される効果および課題を明らかにする。
令和3年度も引き続き新型コロナウイルスの影響により、現地調査が制限される可能性がある。そのため、今後はすでに収集している文献資料を分析するとともに、中国における高等学校や大学のAP関係者、高大接続の政策関係者などに対し、訪問調査以外の手段によって情報を収集する予定である。

次年度使用額が生じた理由

当初予定額よりも使用額が少なかったのは旅費と人件費・謝金である。これは、新型コロナウイルスの影響により、学会での情報収集や、海外の訪問調査を行うことができなかったためである。
令和元年度と令和2年度に収集したデータを分析するために、理論的検討に力を入れる必要性が生じている。また、訪問調査を改めて計画する必要が生じている。これらに、必要な書籍等の購入、ならびに旅費・人件費・謝金に使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 中国におけるAdvanced Placement の活用状況と課題:実施校の事例を通して2021

    • 著者名/発表者名
      郭 暁博
    • 雑誌名

      神戸松蔭女子学院大学研究紀要

      巻: 2 ページ: 83-93

    • DOI

      10.14946/00002257

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 大学入試改革は高校教育に何をもたらすのか?2020

    • 著者名/発表者名
      服部憲児、小野まどか、細尾萌子、郭暁博、西川潤
    • 学会等名
      日本教育制度学会
    • 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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