研究課題/領域番号 |
19K14124
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
金子 聖子 東京農工大学, 学内共同利用施設等, 特任助教 (50738903)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 国際留学生移動 / 学位取得型留学 / 高等教育 / 頭脳循環 / 国際移民 / マレーシア |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、マレーシアへの留学生による「国際移民システム」の構築に着目し、留学生出身国の背景と時間軸に着目して国際留学生移動を分析することである。先行研究では、留学生受入国・送出国双方の文脈に即した研究が不足している。留学生移動と労働力移動も十分に関連付けられていない。よって本研究では、留学生送出国からマレーシアへの留学生移動のマクロな視点を、時代背景を加味した経済政治社会情勢、高等教育事情等から明らかにする。また移民個人の経験というミクロな視点を、元留学生や関係者へのライフストーリー・インタビューにて明らかにする。 2年目に当たる2020年度は、限られたデータではあるものの、2019年度に実施したオンラインによる元留学生へのインタビュー結果の分析を行った。元留学生にとってのITビジネス起業の場としてのマレーシアの展望や、バングラデシュ出身の移民2世が留学生として高等教育に就学する際の葛藤等を明らかにし、途上国からも先進国からも人材を引き付け、送り出していくマレーシアの頭脳循環の様相を、英文ジャーナルに投稿するとともに、国際開発学会にて口頭発表を行った。 また、予定していたマレーシアおよびバングラデシュでの現地調査が新型コロナウイルス感染症の拡大で実施できなかったため、計画の見直しを行い、より広い観点で留学を軸とした人材移動をマクロ・ミクロの双方の視点から分析することによって「国際移民システム」を検討することとした。先進国からの留学にも着目し、日本からマレーシアへの学位取得を目的とした正規留学生について、既存のデータを分析するとともに、スノーボール・サンプリングで過去の留学生にオンラインでインタビューを行った。その結果、「複合社会」であることによる国際教育の推進や、欧米への従属を乗り越えたマレーシアならではの教育の特徴が浮き彫りになった。この結果を国内ジャーナルに投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マレーシアおよび留学生出身国であるバングラデシュにおける現地調査が新型コロナウイルス蔓延のため実施できなかった。また国内学会、国際学会それぞれ1回ずつが中止・延期となったため、研究進捗の報告やコメントを得た上でのブラッシュアップが困難であった。オンラインによる調査や研究計画の見直し、また既存のデータの分析などを行ったものの、予定よりはやや遅れている状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
現地調査を行うことによる対面でのライフストーリー・インタビューや参与観察を行うことが、まだしばらくの間困難であることが予想される。オンラインでのアンケート調査実施や、比較的早期に再開できる可能性のある国内での日本人元正規留学生へのインタビュー調査を検討していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響でマレーシアとバングラデシュでの現地調査が実施できなかった。またネパールでの国際学会や九州での国内学会も延期や中止となった。感染状況が落ち着き、現地調査や学会参加が可能になった時点で使用する。
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