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2021 年度 実施状況報告書

世代を超えて「移動のなかで生活する人びと」と教育に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K14126
研究機関関西国際大学

研究代表者

山本 晃輔  関西国際大学, 社会学部, 講師 (30710222)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードブラジル / ブラジル日本移民 / 外国人 / 移動と教育 / 日系ブラジル人 / グロバリデーションと教育
研究実績の概要

昨年度に引き続き、今年度コロナ禍の影響もあり、ブラジルにおける現地調査を実施することができなかった。そのため、実地調査からインターネットを通じた聞き取り調査に切り替え、情報収集と聞き取りデータの蓄積にあたった(5件のインタビューを実施した)。調査の規模感を修正し、歴史的なバックグラウンドと現代的な生活状況について整理することに努め、研究成果を書籍(分担執筆)にとりまとめることにした。
昨年度と同様、コロナ禍での聞き取りには困難も多く、想定していた聞き取りでデータを収集することが難しい面もある。とはいえ、ネットを通じてインタビュー調査が可能になるといった状況がある。
彼らの語りでは「日本で生活する親族とのコミュニケーションと同じ」ということになる。日本とブラジルの間にある地理的距離や制度的違いは大きいものの、情報の同時性や心理的障壁は日々減少している様子が伺えた。少なくとも本調査のインタビューにおいては、「なぜブラジル人による出稼ぎが継続しているのか」という問いに対して「アルバイト感覚」「お小遣い稼ぎ」「進学費用と日本経験」といった返答がなされている。一方で、過去ほどブラジル経済の停滞が見られず、他方で日本経済が停滞しているいま、「デカセギ」に高いメリットを感じないという語りもあった。経済的要因から「デカセギ」が語られてきたし、国際移動が位置づけられるなかで、「デカセギ」を行なう理由は徐々に変化している。
さて、今日に至り、コロナ禍という断絶が日本とブラジルの間を隔てている。こうした断絶を経て、いっそう日本での生活者は日本での定住を意識し、カジュアルに移動していた日系ブラジル人は移動の取りやめを余儀なくされている。こうした状況が国際移動にいかなる影響を与えるのかを明らかにしていきたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ禍の影響により実地調査ができなかったこともあり、やや遅れていると進捗を評価した。調査の目的や達成目標は維持しつつ、研究方法を模索することで対応するつもりである。

今後の研究の推進方策

本調査の大きなポイントは「なぜブラジル人による出稼ぎが継続しているのか」であり、そしてそれが家族史や教育にどのような影響を与えるかを問うことである。昨年度はこうした「移動と教育」について「コロナ禍があけたのちに平時に戻る」と考えていた。だが、実際はコロナの影響は日本とブラジルの間の移動を滞らせ、その影響は大きい。そこでコロナ禍という断絶が「移動と教育」に与える影響を今年度は検討する予定である。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用学の殆どはブラジルでの現地調査旅費である。コロナの影響もあり調査できるタイミングが限られていること、旅費の高騰もあり、次年度繰越となった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 争う2022

    • 著者名/発表者名
      栗本英世、モハーチ・ゲルゲイ、山田一憲、小野田正利、綿村英一郎、山本晃輔、木村友美、宮前良平、野坂祐子、白川千尋
    • 総ページ数
      222
    • 出版者
      大阪大学出版会
    • ISBN
      4872596242

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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