研究課題/領域番号 |
19K14128
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
Burkart K.I. 大分大学, 国際教育研究推進機構, 准教授 (40758025)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 量的データ収集 / オンラインアンケート / コロナウイルス感染症パンデミック |
研究実績の概要 |
令和2年度は前年度末からCOVID-19による世界的パンデミックに見舞われ、研究活動が著しく制限された。特に国内外におけるデータ収集のための出張やインタビューなど、人の接触が制限された。そこで当初計画していた紙媒体でのアンケートを配布し、収集するという従来の手法が使えないと判断し、Google Formを使ってオンラインアンケートのシステムを作成した。ISIおよびGCIの質問およびDemographics、コンセントフォーム、アンケートの概要と目的等も一つのフォームにまとめた。オンラインアンケートのリンクを作成し、各大学の研究協力者とも相談の上、そのリンクを該当学生へ配布することにした。 初年度の段階で、金沢大学からは教育学類に所属する学生約200名から紙媒体でアンケートを収集することができており、追加のデータを収集するべく、研究協力者を通じてオンラインアンケートのリンクを配布し、量的データを収集しようと努力したが、オンラインアンケートの収集は予測通り回収率が悪く、若干名のデータしか集まらなかった。 大分大学では初年度に134名から紙媒体でアンケートのデータを収集することができた。金沢同様、前期はオンライン授業が遅れて始まったため、後期に収束するのを待って同じく紙媒体でデータを収集することを計画していたが、後期もオンラインとなり、結局金沢大学同様、アンケートのリンクを配布し、データを収集した。大分大学では135人中、116の有効データがGoogle Formに返送された。 半構造化面接による質的データの収集に関しては、世界的パンデミックにおいて面接を行うまでのプロトコルの設定が困難であったため翌年度に持ち越した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19による世界的パンデミックにより、令和2年度の前期は両大学ともGW明けからオンラインで前期が始まったため、前期に予定していたアンケートの収集を後期に延期した。後期でもオンライン授業が続いたため、苦肉の策としてオンラインアンケートのリンクを各大学の研究協力者を通じて配布した。 大分大学でアンケートのリンクを配布して収集したが、研究代表者の勤務大学ということもあってか、130名中116の有効データを収集することができた。金沢大学でも同じくアンケートデータの収集を要したが、オンラインによるアンケートでは若干名のデータしか収集できなかった。 特にパンデミック下に各大学が対面での時間を著しく制限される中、その貴重な時間にアンケートを配布し、収集するということは物理的にも困難で、アンケートによるデータの収集は難航した。同じく量的データの収集後に予定されていた半構造化面接においても、情報提供者の選出や連絡等を事前に行い、彼らの同意を取った上でインタビューをすることになるのだが、大学が通常開講されていない状況でプロトコルさえ立てられなかった。日本国内でこの状況であるので、感染拡大の影響が深刻だったアメリカでの半構造化面接は翌年度に持ち越す他選択肢はなかった。
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今後の研究の推進方策 |
現在収集しているアンケートの有効データの集計は順調に進んでいるが、半構造化面接のプロトコルの作成には苦戦を強いられている。令和3年4月現在、日本国内の第4波の広がりが懸念されており、国内外での移動は大変厳しい状況が続いている。収束を待つ間、量的データの検証を行い、その検証結果に従って半構造化面接の質問事項を作成する。日本における量的データの検証によって作成される質問事項を2014年にアメリカで行った量的データの検証結果と照らし合わせて、日米両方で統一した質問事項を作成し、英訳したものを準備しておく。国内外の移動の制限が緩和されたときにすぐに現地で半構造化面接を行えるよう、特に金沢大学、西フロリダ大学、南フロリダ大学の研究協力者と打ち合わせをして、訪問の計画を立てる。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルス感染拡大の影響を受け、国内外での移動が著しく制限されたため、旅費の使用が0円であった。また同じ理由で、該当年度の研究計画の中枢であったデータの収集が滞り、予定していた予算の執行ができなかった。このパンデミックで国内外の移動が制限されている間に、質問紙の準備やリモートでの打ち合わせを重ね、移動ができるようになってからすぐに行動に移せるように研究計画を整え、予算計画を精査する。 未使用額は当初の予定通り、金沢と米国においてインタビューデータを収集したり、学会発表のための渡航費、旅費として使用する。インタビュー調査協力者やTriangulation調査協力者への謝金を支払う他、膨大な質的データを処理する際のリサーチアシスタントを雇用する予定である。
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